13部分:第十三章
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第十三章
「もうね」
「さて、それじゃあ」
「次はどの時代かな」
ライゾウもタロもそちらに頭を切り替えていた。
「恐竜とか出たら怖いよな」
「その場合はどうしようかな」
「恐竜で済むかなあ」
小田切君はもっと怖い考えに至っていた。
「だってさ、博士だよ」
「ああ」
「もっと酷い時代になるかも知れないんだね」
「海の中で巨大な岩みたいな魚に襲われるとか」
遥かな太古の海である。アノマロカリスよりも後だ。
「他にはさ。恐竜が絶滅した時の大異変の時とか」
「何か碌な時代じゃねえな、それって」
「そんな時代に行ったら流石にすぐに死んじゃうね」
「そんな時代に送られるかも知れないよ」
顔を曇らせて言う小田切君だった。
「ひょっとしたらね」
「そうなんだよなあ、何せあの博士だからな」
「あの二人は平気だろうけれどね」
そのどんな時代でも平気な二人は。対峙したまま不敵な笑みを浮かべ合っていた。そうしてそのうえでまたお互いに言い合っていた。
「面白い、それではだ」
「次の時代だぎゃ」
「ああ、いよいよだな」
「変な時代だったら逃げよう」
「そうしようか」
小田切君はライゾウ、タロとここでも話すのだった。
「じゃあ何時でも逃げる心積もりをして」
「すぐにね」
「よし、それで博士」
小田切君が博士に声をかける。
「何処の時代に行くんですか?」
「ああ、気の向くままじゃ」
返答は博士らしいこれまたとんでもないものであった。
「気の向くままに何処かに行くぞ」
「何処かにって」
「何、心配するな」
心配していないのは博士と相手のヒデヨシだけである。小田切君は気が気でない。とりあえず常識に留まっているメンバーとそうでない人間かどうかすら怪しい二人とではあまりにも違い過ぎた。博士にしろヒデヨシにしろ人間の限界を遥かに超えていた。
「わしは何時でも戦える」
「わしもじゃ」
やはり二人は平然としたものだ。
「例え絶対零度であっても一兆度の炎の中でも」
「わしは死ぬことはないぞ」
「それ地球じゃないよな」
「絶対にね」
ライゾウとタロは今の二人の言葉を聞いてまた顔を見合わせて言い合った。
「そんな世界何処にあるんだよ」
「何処かの異次元空間じゃないの?」
「さて、移動じゃ」
「そこでまた勝負じゃ」
まず二人が何処かに消えた。カイザージョーごと。
そして次に小田切君達だった。不思議な七色の光が一行を包み込む。
「いい時代だといいな」
「その可能性は低いけれどね」
この状況でもライゾウとタロはお喋りをする。
「本当にね、何処かな」
「本当に恐竜の時代とか?」
「その時代だったら。いいかい?」
小田切君は光に包まれながら彼等に対して言うのだった
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