第20話 共闘
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赤髪君の方が非常に研究的には面白い戦いだった。
砂や糸などのありふれた能力を操り、独自の応用で追い詰めてきた赤髪君。
彼の底知れぬ、実力に木山は思い出し身震いをする。
電撃が苦手だと分からなければ、どんな手で来ただろうか?
「私はある事柄について調べたいだけなんだ。それが終われば全員解放する。誰も犠牲にはしない......」
「ふざけんじゃないわよっ!!」
御坂は自分で意識もせずに大きな声を出していた。
初春さんを狙って
サソリに人質まがいの卑怯な手段で追い詰めて
能力がない事で悩んでいた佐天さんを持ち上げて、突き落とす真似をしておいて!
「誰も犠牲にはしない?アンタの身勝手な目的にあれだけの人間を巻き込んでおいて人の心をもて遊んで......こんな事をしないと成り立たない研究なんてロクなもんじゃない!!そんなモノ見過ごせるわけないでしょうがっ!!!」
「ハー、やれやれ、レベル5とはいえ所詮は世間知らずのお嬢様か」
木山は、青いが純粋に真っ直ぐな御坂の言葉にため息をついた。
何か得るには、代わりに自分の何かを諦めなくてはならない。
その数が多い程、大人になる事だ。
「アンタにだけは言われたくなかった台詞だわ」
「学園都市で君達が受けている『能力開発』、アレが安全で人道的なものだと君は思っているのか?」
「!?」
「学園都市は『能力』に関する重大な何かを我々から隠している。学園都市の教師達はそれを知らずに一八○万人にも及ぶ学生達の脳を日々開発しているんだ。それがどんならに危険な事かわかるだろう?」
「......なかなか面白そうな話じゃない。アンタを捕まえた後でゆっくりと調べさせてもらうわっ!!」
御坂が地中にある砂鉄を集めて、鋭利に尖らせると一斉に木山へと攻撃した。
木山は微動だにせず、念力で瓦礫を持ち上げて鋭利になった砂鉄を受け止めていく。
「調べる......か。それもいいだろう」
そして誰にも聞こえないような声で
「君が関わっているのも少なくはないしな......」
と呟いた。
「だが......それもここから無事に帰れたらの話だ」
アルミ缶に触れて投げ上げた。
御坂は、見覚えのある缶に気づく。
エネルギーが充填し大規模な火炎を出しながら爆発した。
咄嗟に金属のガラクタを集めて、爆発の衝撃を躱すが、砂鉄の盾がまだしても展開していた。
サソリの砂鉄にさっきから助けられてばかり
煙が辺りに立ち込める中、木山の目の前に突如として黒髪の人形が出現し、腕を突き出した。
「!?」
木山は、反射的に後方へ飛び移ると改めて人形を見る。
「あれって......」
御坂も金属のガラクタの中から人形を見上げた。
佐天さんの部屋にあった人形?
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