第20話 共闘
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「あー、そんな強く怒ったつもりじゃなかったんだが......」
「......涙を流していた気がしますの......」
「心弱過ぎだろ。分かった、オレが言い過ぎた」
苦手だな。
どうすれば良いか分からん。
「もう、行きますの?」
白井がサソリに質問してみる。
サソリは、身体を少しだけ揺らすと
「いや、分身が戻って来てからだな」
「ぶ、分身ですの?」
あの時に見せてもらった変な能力。
触った瞬間に消えてしまった頼りない分身に首を傾げた。
「初春に渡した砂鉄に仕込んだのは、オレの砂分身だ。初春に何かあったら直ぐさま出て戦うようにしてある」
「すぐ消えてしまうことは?」
「かなりの攻撃を受けないと消えないようにしてあるから、並の相手なら充分に殺り合える。その間、お前は木山の過去の洗い出しが出来るか?」
「多少時間が貰えれば出来ますわ」
「これほどの事をやるのは、何か訳がある。それを探っておいてくれ」
それはサソリにも言えることだった。
人傀儡を作ったことも、人を殺めたのも少年期に起きた両親の死。
サソリにも心の闇が引き金だ。
両親を殺された過去の闇が全て起因していると過言ではない。
傀儡にのめり込んだのも、両親の愛情を取り戻すためだった。
「何かがある」
サソリは確信したように呟くと白井が起動したパソコン画面を凝視した。
******
木山を撹乱する作戦の元で初春へと変化したサソリは、木山からの最も相性が悪い電撃を喰らい、その場に倒れこんだ。
「サソリさん!」
「く、来るな!
初春が動こうするが、サソリ初春は出来るだけ大きな声で初春を止めた。
ボロボロの初春の制服にビリリと電流が走り、サソリの身体へ未だにダメージを与えているのが分かる。
「惜しかったな。何を企んでいたのか知らないが......良い手だった」
木山が倒れているサソリ初春を見下ろしながら拍手した。
サソリは、痺れる手を奮い立たせて、ゆっくり印を結んだ。
頼む
まだ解けるな
サソリは、地面に微量のチャクラを走らせるが仕掛けた罠が発動しない。
雷遁で掻き消されたか......
「不発のようだな。ということは打つ手が無くなったと解釈して良いかな?」
そこへ、御坂がタクシーを降りて現場へと走ってやってきた。
「一体何が?」
御坂の視界には、心配そうに見ている初春と木山の近くで動けないで倒れている初春が映った。
「えっ?えっ?何で初春さんが二人?」
「サソリさんです!私を庇ってしまって」
「さ、サソリ?」
信じられない物でも見るように御坂の瞳孔が拡がった。
「何でアンタが居るのよ!?黒子と一緒に居たんじゃ」
サソリ初春は、痺れる身体で動ける分だけもがいて
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