12部分:第十二章
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第十二章
「そんな短い時間でタイムマシンなんか作ったんだ、博士は」
「そういうこと、だから小田切君もさ」
「必要な時は何時でも帰ることができるから」
またしてもわかる衝撃の事実であった。博士もまた時空を移動する術を知っているのである。だが博士ならば、とも思えるから不思議ではある。
「不安になることはないからさ」
「じっくりと腰を据えて見ていようよ」
「ううん、そんなものなんだ」
腕を組んで難しい顔をするしかなかった。
「それだったら」
「ああ、そういえば博士はよ」
「どうしたのかな」
とりあえず自分達の身の安全を小田切君に告げてからまた話すライゾウとタロだった。
「死んでるとは思えないけれど」
「少しはダメージ受けたかな」
「ああ、全然平気みたいだよ」
しかしここで小田切君が上を見上げて難しい顔をしていた。
「ほら、相変わらずカイザージョーの上にいるよ」
「ああ、本当だ」
「確かにいるね」
見てみれば確かにその通りだった。博士は健在だった。相変わらずマントを風になびかせてそのうえでカイザージョーの左肩のところで仁王立ちしていた。
「ふははははははは、流石は超時空天下人だけはあるわ」
「無事なのじゃな」
「無敵無敵!」
博士は両手を腰の横に置きそのうえで高笑いを浮かべていた。
「この程度でわしを倒すことは適わぬわ!」
「ふむ。あの光は十里四方を焼き尽くすだけの力があるのじゃがな」
「十里ってどれだけあるんだよ」
「一里が約四キロだよ」
小田切君がライゾウに説明する。
「だから大体四十キロ位だね」
「じゃあ殆ど原爆じゃないかい?」
「そんな威力があるんだ」
「そうだよ。だからかなり問題なんだよ」
また呆れた声で話す小田切君だった。
「そんなの放ったんだ、あの人」
「けれどカイザージョーは無傷だよ」
タロがこのことを指摘する。
「そうなんだよね。あのマシンって一体何なんだろう」
「原爆クラスのダメージを受けても無傷かよ」
「殆ど化け物じゃない」
「あの博士の作ったものだからかな、やっぱり」
小田切君はこんなことも言った。
「びくともしないのは」
「さて、ヒデヨシよ」
博士は不敵そのものの笑みでまたヒデヨシに対して言ってきていた。
「その程度で終わりではあるまい。違うか?」
「無論じゃ」
そしてやはりそうなのだった。
「わしはこの程度ではじゃ。終わりはせん」
「やはりな。それではじゃ」
「あれ、また話が動いた?」
「そうみたいだね」
ライゾウとタロは二人のやり取りを見て言うのだった。
「さて、どうなるのかな」
「また時代を移るのかな」
「そうかもね」
小田切君はとりあえず彼等に答えた。
「けれどまあ。タイムマシンがある
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