機動戦艦ナデシコ
1301話
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ているナデシコのクルーの中には、恐らく悔しい思いをしている者もいるだろう。可愛い物好きとか。
ハルカやエリナも炎獣に眦を緩めているのを見ながら、このままだといつまで経っても話が進まないと判断して指を鳴らす。
同時に、ブリッジの中に溢れていた全ての炎獣が白炎と化して姿を消す。
「ちょっと、アクセルさん! あの子達はどうしたんですか!?」
子猫の炎獣を可愛がっていた艦長が、責めるように俺へと告げてくる。
「艦長……今は炎獣じゃなくて俺の話だろ。炎獣は俺が人間じゃないというのの証明でしかない」
「……あ、そう言えばそうでしたね。で、えっと、何の話でしたっけ?」
「何で国の長である俺が1人で別の世界に来ているかって理由だろ。まぁ、詳しい事は秘密だが、他の世界にランダムで転移する場合はどこに転移するか分からない。今回はたまたまこの世界……取りあえずナデシコ世界とでもするが、そのナデシコ世界の日本の街中に出たが、ランダムで転移する以上は宇宙空間にそのまま出たり、それこそ火山の中に出たりする可能性も否定出来ない」
「ちょっと待って」
そう言葉を挟んできたのは、俺が説明している間は口を開かずにじっと話を聞いていたイネスだった。
俺の方へと鋭い視線を向けながら言葉を続ける。
「つまり、貴方は……えっと、アクセルだったわね。アクセルは宇宙空間や火山の中に生身でいても問題ないという事?」
「そうなるな」
あっさりと答えるが、それを聞いたイネスや他の面々は信じられないとばかりに驚愕の視線を俺の方へと向けていた。
「さっきも言った通り、俺は物理攻撃……より正確には魔力や気といったものを伴わない攻撃に関しては全くダメージを受けない。だから正直さっきのゴートの銃弾もそのまま身体で受けても良かったんだが、下手をすればブリッジに被害が出る可能性があったからな」
「……それが分かってるなら、安易に危険な真似はしないで欲しいんですけど」
ジト目を向けてくる艦長。
まぁ、確かにちょっと軽率だったか?
「ま、それは置いといてだ。俺が国のトップだってのはともかく、単独で別の世界に行っても問題ないってのは明らかになったと思うが?」
「そうですね。ですが、まだ根本的な疑問があります」
俺の言葉に対し、即座に口を開いたのは当然ながらプロスペクター。
この辺り、相変わらず腹が据わっているというか如才ないというか……何だかんだと、かなり能力を持った人材なのは明らかだよな。
シャドウミラーは、その大きさ……正確には活動範囲の広さに対して政治や交渉をする人材が薄い。
元特殊部隊だというのが影響して、どうしても実働班や技術班といったところに人材が固まっている。
そう考えるとプロスペクターは欲しい人材だ。…
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