機動戦艦ナデシコ
1301話
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解出来ないといった風に叫ぶその声は、恐らくこの光景を見ている全ての者に共通した驚きだっただろう。
それを確認し、再び指を鳴らす。
その音に、また自分が攻撃されるのかと思ったのだろう。ゴートはその厳つい顔に鋭い視線を俺の方へと向けてくる。
だが指を鳴らした音が生み出した結果は、影槍が消えるというもの。
いきなり目の前にあった影槍が姿を消した様子に驚くゴートに向かって口を開く。
「悪いな、今のはちょっとしたデモンストレーションだ。もう攻撃する気はないから安心してくれ」
それにしても……予想外に魔力の消費が少ない。
いや、予想外って程でもないか。この火星には少なからず自然がある。
少なくてもネギま世界の火星よりは大分マシだろう。
こうして考えると、ナノマシンって奴の効果は凄いんだろうな。
ただ、俺自身がどうしてもナノマシンに対しては拒否反応がある。
IFSも便利だと分かってはいるが、シャドウミラーで導入するつもりはない。
それにIFSは副作用があるって話だし。
「今は白炎で銃弾を溶かしたが、俺の身体に対して物理攻撃は一切の効果を持たない」
「……アクセルは人間じゃない、のか?」
リョーコの言葉に、俺は頷きを返す。
「そうだ。正確には元々人間だったのが、とある世界で人間以上の存在になったというのが正しいな。混沌精霊。それが俺の正式な種族名だ。……まぁ、俺以外に混沌精霊なんて存在がいるとは思えないけど」
そもそも、俺が混沌精霊になった道筋が色々な意味で特殊過ぎる。
リョウメンスクナノカミを吸収し、悪魔を吸収し、エヴァから習得した闇の魔法によって白炎化を身につけて、その副作用でモンスター化して暴走し、数多の精霊を貪り食らい、あやか達のおかげで何とか暴走を止める事が出来た。
……もし混沌精霊になる条件がこれだとすれば、俺以外に混沌精霊になれる奴がいるのかどうか。
「混沌精霊?」
オウム返しに尋ねてくるリョーコに頷くが、今のこの状況で混沌精霊としての俺の姿……角が伸びたりしているのを見せる訳にはいかないので、取りあえず先程同様に右手を前に出す。
それを見たゴートが再度顔を強張らせるが、そんな様子を気にせずに右手を白炎化させ、同時に炎獣を生み出す。
白炎で出来た犬や猫、鳥といった小型の炎獣がブリッジの中を走り回る光景は、幻想的と表現してもいい。
ブリッジにいた面々はその幻想的な光景に目を奪われる。
「きゃっ! ……あれ? 熱くない? 炎なのに熱くないなんて」
ヒカルが子犬の炎獣に擦り寄られて驚きの声を上げるものの、触れても熱くないことに再度驚きの声を上げる。
そんな光景がブリッジのいたる場所で繰り広げられていた。
この光景を映像を通して見
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