第3章 リーザス陥落
第85話 決戦・ヘルマン第3軍
[1/11]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
サウスの方は、基本的にランスに加え、リーザスの兵士達中心に構成されている。
大将を中心に添えつつ、その周囲をリア王女の親衛隊、金の軍で固めつつ、後方には、紫の軍の魔法兵。そして 更に黒の軍の弓兵を配備し、金の軍だけではなく黒の軍の前衛部隊、騎士達を据えた布陣だ。
ランスの視界には 限りなく女兵士達が映りつつも、男兵士達も遺憾無くその力を発揮できる布陣。……レイラとバレスには脱帽だ、と言われたユーリだが、あまりによく出来た配置。一辺の無駄のない配置を見て、『逆だ、逆。お前たちが凄い』と思ってしまったのは無理もない事だろう。
ランスの力を最大限に発揮させつつの配置なのだから。
そして、ユーリ達の布陣は、ノースへと向かう。
サウスに向かう部隊の兵力に比べれば、幾分か落ちるものの 基本的な戦力は申し分ない。個々の力を考えれば、リーザス最強 赤の軍将軍リックや異国の戦士 清十郎、そして ユーリを加えた布陣は 紛れもなく解放軍最強、トップ3だ。
ランスがいれば、いろいろとうるさいから、誰も言わないが。戦闘の面を言えば、ある意味ランス自身も、それは認めているフシがあるから紛れもない。 プライドの塊のランスが、戦闘面だけとは言え、認める程のものなのだから、それ程のものだ。無論、戦いを見てきている者たちからすれば、当たり前であり、今更だが。
当たり前のだが、ヒトミや真知子、優希達は オクの町で最小限とはいえ、軍隊を配置、守らせて そこで待機している。
「さて。……もうそろそろノースだな」
ユーリが真っ直ぐに ノースの方角、小高い丘が多数ある地形で、まだその姿を見たわけではないが、その丘を超えれば視界に間違いなく捉えられるだろう、その場所を見据えた。
そして、そのユーリが言い終えたと殆ど同時に、空より 降りてきたのはフェリスだ。
「空から見てたけど、街壁に合わせて、大体100程のヘルマン騎士達がいたよ」
「ああ。ありがとう、フェリス。日が出ていて しんどい筈なのに、飛んでくれて」
「いや、別に問題ないさ。ユーリがくれた眼鏡があるし。効果が結構広いのか、日の光もある程度は抑制されてる」
降りてきたフェリスは、あの呪い?の眼鏡を外し、指先でくるくると回しながらそう言っていた。
――……初めて人間から貰った物。
それは、形のない魂なんかじゃない。……悪魔が言葉巧みにだまくらかし、……魂を神から奪う為にしている人間の物。……そんな物じゃない。人間の世界だと言うのに、心が温かくなる気持ちだけは、どうしてもフェリスは抑える事が出来なかった。時折口ずさんでも、否定したかったが、もう無理だった。目の前の男否定する事が出来なくなってしま
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ