5部分:第五章
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じゃあはじめる?」
「はじめるって?」
「だからさ。いつも良美ちゃんがね」
「ええ」
そっと彼女に声をかける。彼女は少しきょとんとした顔で彼に応えた。
「男同士、女同士でしていることを今」
「今?」
「しよう。それだけ」
「それだけって」
まだ彼女はよくわかっていなかった。
「何を」
「まあ俺もさ」
彼は照れ臭く笑ってまた彼女に言う。
「よくわからないけれど。けれど」
「うん」
「痛くしないし。それに優しくするから」
いざとなるとたどたどしくなる。それでも何とか言葉を出すのだった。
「いいよね」
「何かよくわからないけれど」
信繁の手でべっどに近付けさせられる。その中で彼に応える。
「いいわ」
「それじゃあ。いくよ」
「うん」
良美を静かにベッドに寝かせる。それからはじめるのであった。
終わった後で。良美はベッドの上に仰向けに寝ていた。その身体は布団の中に入れ隠している。しかしその中は服一枚着てはいない。
「あのさ」
その彼女に信繁が声をかけてきた。今シャワーを浴びた後で上は裸だ。下にズボンを穿いているだけである。身体はまだ少し濡れていてバスタオルで身体を拭いている。
「痛くなかったよね」
「うん」
良美は少し放心した声で彼に答えた。
「何ともなかったわ」
「痛くなかったらいいよ」
信繁はそれを聞いてまずは安心した。頷いてからソファーに座る。隣にはあのぬいぐるみがある。犬のぬいぐるみであった。
「痛くなかったらね」
「うん。それでね」
「それで?」
「これが男の子と女の子なのね」
「そうだよ。どう?」
「何かまだよくわからないわ」
そう信繁に答えるのだった。
「何が起こったのか」
「わからないんだ」
「ええ。けれど」
良美は言う。
「小山田君ってあったかいのね」
「そうかな」
良美のその言葉には思わず苦笑いを浮かべた。何か照れ臭かった。
「そう言われると恥ずかしいね」
「男同士や女同士も見るのは楽しいけれど」
良美の言葉は続く。
「実際に男の人と一緒にこうするのもいいものなのね」
「よかったんだ」
「小山田君が優しかったから」
だからいいと言ってみせる。信繁はそれを聞いて何か自分が包まれるような気がした。
「そう言ってもらえると嬉しいよ。じゃあさ」
「ええ」
「これからも。いいかな」
おずおずと彼女に問うた。
「俺、良美ちゃんと一緒にいて」
「それは私が言うつもりだったんだけれど」
「そうだったんだ」
「本当にしたのははじめてだけれど」
それだからこそ強く心に刻まれているのであった。その暖かさまでも。
「これからも。御願いね」
「うん。それじゃあこれからもね」
「ええ。宜しく」
こうして二人の
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