機動戦艦ナデシコ
1300話
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相変わらず腹の中を読ませないような表情を浮かべている。
「へぇ。意外だな。てっきり俺の事は情報を漏らさないようにするという手段を取ると思ってたけど」
「ははは。確かにアクセルさんの事を知っているのが私や他にも少数であればその選択はあったかもしれません。ですが、アクセルさんの件はこのブリッジにいる人は全て目にしてますし、ブリッジ以外でも先程の戦いを目視なり映像でなり見た人も多い筈。その全てを隠し通すなど、とてもとても……寧ろここで隠すような真似をすれば、それはナデシコに乗っているクルー全員がネルガルに対して不信を持つでしょう」
「なるほどな」
そう来たか。
いや、実際それは正しい。
ナデシコの外の様子を見るのはブリッジ以外にも幾らでも手段はある。
ニーズヘッグを見て、更にその鬼神の如き戦いを見た上で、あの機体についての詳細は不明ですとか言っても、誰も信じないだろう。
それどころか、プロスペクターが口にしたようにナデシコのブリッジ……そして何よりネルガルに対する不信を招く危険もある。
そう考えれば、一見無茶に見えるナデシコのクルー全てに俺の話を聞かせるというのも当然の結果なのだろう。
事実、エリナやゴートといったネルガル側のメンバーがプロスペクターの意見に対して何も言わないのだから。
「分かった、そうしてくれ。俺もナデシコという艦には愛着があるからな。そのナデシコのクルーが四散するような光景は見たくない」
「ありがとうございます。……ルリさん、お願い出来ますかな?」
「はい」
メグミじゃなくてルリなのか。いや、メグミはあくまでも通信担当だから、今回のようにナデシコ艦内に対してこちらの声を聞かせるというのはちょっと違うのか?
「ナデシコの皆さん、私はプロスペクターです。これから、先程まで行われていた戦闘についての説明を……そして、あの不明機に乗っていたアクセルさんの事情についての説明があるとの事ですので、アクセルさんの許可を貰ってこの映像は艦内全てに流しています。可能な限り作業を中断してこの映像を見て下さい」
そう告げたプロスペクターが、俺の方へと視線を向けてくる。
「さて、どこからどう説明したらいいのか、少し迷うな。まさか、俺が生まれてからの全てを説明する訳にはいかないだろうし」
「ははは。出来れば私もそれは聞いてみたいところですが、いつまでもこうしている訳にもいきませんしね」
どうやら話の進行はプロスペクターが行うらしい。
いや、俺としても全員に一気に話し掛けられるよりは誰か1人に話される方がいいけどな。
「そうだな……なら、まずは俺の正体から説明しようか」
「正体?」
「ああ。このブリッジにいるメンバーは、さっきの戦闘が始まる前にちょっと言ったかも
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