―女の話―
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ースカードにより、明日香の《サイバー・ブレイダー》の攻撃対象はレイによって決定されてしまう。
「《サイバー・ブレイダー》……」
明日香とレイに奪われた《サイバー・ブレイダー》が攻撃しあい、どちらも攻撃力を倍加させる効果を発揮していた両者は、無惨にも同士討ちという最期を遂げる。……明日香にはもうこのターン、レイの残るライフを削る手段はない。
「どうしたの? 終わったならターンエンドって言ってよ」
「レイちゃん……ターン、終了よ」
《No.11 ビッグ・アイ》を破壊したにもかかわらず、レイの態度は変わらない――いや、先程の貼りつけたような笑顔もなくなり、まるで能面のように無表情に成り果てていた。自身の力不足を感じて奥歯を噛み締めながら、明日香はターンを終了する。
「ボクのターン。ドロー」
とはいえ明日香の攻勢により、レイのフィールドも《サイバー・エンジェル−荼吉尼−》に《霧の谷の神風》のみ。ナンバーズを失ったレイが取る手段は。
「ボクは《ワン・フォー・ワン》を発動。手札を一枚捨てて、デッキからレベル1モンスター《森羅の神芽 スプラウト》を特殊召喚」
――新たなナンバーズの特殊召喚に他ならない。そのために森羅のカードを使い、レイは着実にフィールドを支配していく。
「《森羅の神芽 スプラウト》の効果。特殊召喚に成功した時、デッキの上を二枚捲る」
一見意味のない効果ではあるが。それが植物族であった場合、墓地に送る効果を持ち――森羅はデッキから墓地に送られた時、効果を発揮するシリーズカードである。
「墓地に送られた《森羅の実張り ピース》と《姫芽君 スプラウト》の効果を発動。それぞれ、墓地のレベル4以下の植物族モンスターと、自身を墓地から特殊召喚する。《コピー・プラント》と《森羅の姫芽君 スプラウト》を特殊召喚」
デッキから墓地に送られたモンスターは、《森羅の実張り ピース》に《森羅の姫芽君 スプラウト》の二体。それぞれ墓地から植物族モンスターを特殊召喚する効果であり、レイのフィールドにさらに二体の植物族モンスターが特殊召喚される。デュエル序盤に《No.11 ビッグ・アイ》のエクシーズ素材になった《コピー・プラント》と、今まさに墓地に送られた《森羅の姫芽君 スプラウト》。
「さらにデッキトップを一枚墓地に送ることで、墓地から《グローアップ・バルブ》を特殊召喚」
そして《ワン・フォー・ワン》によって墓地に送られていた、植物族モンスター《グローアップ・バルブ》も特殊召喚され、レイのフィールドは即座に五体のモンスターで埋まる。まずは、と言わんばかりに、特殊召喚された三体のレベル1モンスターが重なっていく。
「エクシーズ召喚! 《No.83 ギャラクシー・クィーン》
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