暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 9
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を持たれてる感じだったのは、単に使えそうな人材を見付けたからか。薄暗い屋内でキラキラと瞳を輝かせるアーレストは、自分の野望を押し通す気満々だ。女衆とは別の意味で、命の危険を漂わせている。
 (酷い。昨日から私の周りが酷すぎる。いったいどうしろって言うの、この状況!)
 「無ー理ーだー!」
 何処かで見ている海賊達。背後に迫るバーデル軍。両横で控える村人(女)達とネアウィック村の自警団とバーデルの国境警備隊。前からは本気で命懸けなアリア信仰への勧誘。
 ……完璧な手詰まりだった。
 「ミートリッテさんは未成年ですよね。保護者の方にもご挨拶しなければ」
 「私の選択権は何処へ消えた!」
 「明日から楽しみですね」
 「聴けぇえーッ!」
 初日の深夜を迎えて、残りは四日。
 ミートリッテの悲痛な叫びを拾ってくれる者は……いない。


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