4部分:第四章
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みるか」
「具体的にはどうするんだ?」
「そこまでは考えていないけれどな」
今はそこまで考えてはいない。考えてはいるがそれでも今考えだしたばかりである。しかしそれでも少しは考えが出て来た。
「そうだな。まあ大胆にやってみるか」
「大胆にか」
「ああ、ちょっとやってみる」
また答えた。
「やってみる価値があることをな」
「まあやってみな。ただしな」
「ただし?今度は何だよ」
「制服でしたらまずいことはするなよ」
「制服か」
ここで自分の制服と遠くにいる良美の制服を見比べる。確かにこれでは悪いことはできない。そうした意味もあるのが制服なのであるが。
「そうだよ。それはわかっておけよ」
「ああ。何か今の言葉で何をするか決めたよ」
疲れた顔に微笑みを浮かべてみせてきた。
「まあ見てな。ヤオイでも何でも」
「何でも?」
「何だよ」
「女の子なんだってことだよな、結局は」
「まあそうだな」
押すことを提案したクラスメイトがその言葉に頷く。
「何だかんだ言ってもな」
「だったらやってやるさ。派手にな」
「頑張りな。吉報を待ってるぜ」
「ああ、是非な」
そんな話をしながらその押しのことを考える信繁であった。彼はその日の学校帰りのデートのようなもので良美に対して声をかけた。今度はゲームショップに向かっていた。
「あのさ」
「何?」
今度は恋愛育成ゲームだ。彼女はゲームも好きなのである。今日はまだ同人誌に比べればまだまともかな、と信繁は思ってはいた。
「明日だけれど」
「何かあるの?」
「いつも学校帰りに制服であちこち行ってるじゃない」
「うん」
良美も信繁のその言葉に応えて頷く。
「だからさ。明日は」
「私服でってこと?」
「それじゃあ駄目かな」
何気なくを装ってこう提案してきた。
「趣向を変えてさ」
「そうね。それもいいわよね」
「そうだろ?だからさ」
彼は言うのであった。今度の芝居はかなり上手くいっていた。自分でも納得できる演技であり心の中で満足していた。
「それでいいよね」
「うん。わかったわ」
良美は彼の提案ににこりと笑って頷く。その笑みだけを見ていると本当に美少女であった。
「それじゃあそれでね」
「私服はバッグの中に入れればいいしね」
「そうね」
二人はもう打ち合わせに入っていた。
「それでバッグも。学校のものの他に」
「そうそう」
話を進める。こうして今度は信繁がリードして話を進める。彼にとっては満足のいく進展で次の日の計画に進むのであった。
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