第四話〜ファルマート大陸に遠征せり
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帝国植民地の一つである港町エルメス。南西に位置するこの港町は、海の産地としても有名な町でもあると同時に、帝国海軍の重要拠点の一つとして多くの軍艦と武装商船が、近くの軍港に停泊もしている帝国の海軍基地としての役割も担っていた。だが、100隻を超える軍艦と武装商船による威圧的な光景も今では見る影もなくなっていた。
それは、対アカツキ帝国の遠征軍と称してこの港町に停泊していた軍艦、武装商船の八割が壊滅したからである。こんな事態になる前までは港町の住人達も、また何処かに遠征しに行ったんだろうと、さして気にも止めもしなかった。この地を帝国が支配して長い年月が経っている彼らからすれば、既に侵略戦争を常識としている帝国の当たり前すぎる行動も「またか」と、言った感覚でもあるからだ。
だが、そんな強者ともいえる帝国軍が、何の抵抗も出来ずに百隻を超える艦隊の八割が壊滅した事実は衝撃が強かった。現在は海軍再建に向けて、動き出している帝国軍だが、80隻を超える軍艦、武装商船の壊滅した穴埋めは尋常ではない程困難であった。ここで帝国軍は、エルメスで使用されている漁船も一時的に海軍に使用するように命令を出した。この動きにエルメスの漁師たちは反発はしたが、武力を分かりはやすいほどチラつかせた帝国軍の要求を漁師たちは飲むしかなかった。だが、この帝国軍の行動は、自分の首を絞める行為にしかならないのは、この時は誰も知らなかった。
ーーー。
この時、先遣隊として派遣されたアカツキ帝国第二艦隊を筆頭として、強襲上陸艦と輸送船に搭乗している陸軍八千五百の兵士達も同行していた。第二艦隊の編成は巡洋艦八、駆逐艦十六、空母一という編成である。戦艦はなく、空母の数も少ない第二艦隊であるが、帝国艦隊に対しては十分すぎる程の火力を保有している。先ずは、空母から発艦された攻撃隊がエルメスに停泊している軍港に、向けて流星率いる攻撃隊が以前の戦いから回復していない帝国艦隊に向けて爆撃を開始した。第一攻撃隊の攻撃で、エルメスに存在する帝国艦隊は壊滅した。これに浮足だつ帝国軍であるが、立ちなおせる隙も与えず、軍港に艦砲射撃を実行に移して、敵に大打撃を与える。軍港の機能を失った所に、陸軍が強襲上陸を実行に移して、帝国軍は、然したる抵抗もなく撤退していき、逃げ遅れた兵士は降伏を決定する。
そして、港町のエルメスも占領したアカツキ帝国軍は、このエルメスの町の町長と話し合い、アカツキ帝国に占領下に置かれた事を説明するが、住民に対して何の不自由もさせないし、軍に強制徴兵もさせない事を約束した。当初は、同じ帝国という名の国家でもあるアカツキ帝国に怯えていたエルメス住民達であったが、帝国貴族や兵士達と比べれば規律に厳しく、目に見える程の横暴もないので、日が立つにつれて、エルメス住民はアカツキ帝国に対して
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