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とあるの世界で何をするのか
第四十三話  レベルアッパー制作者
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絹旗さんに説明している間にも車は加速し続けていて、御坂さんからツッコまれてしまった。

「まー、この辺で頭打ちだからこのぐらいだよ」

 もう一番上のギアになっている上、エンジン回転数もそろそろレッドゾーンという所まで来てしまったので、少しアクセルを緩めて速度を維持するように走らせる。

 三車線を目一杯使うとカーブでも速度を維持したまま曲がりきれるので、その状態で走り続ける事十数分、前方にアンチスキル車両が道を塞ぐように止まっているのが見えた。

「あれっぽいな」

「そうね」

 車を減速させながら呟くと御坂さんも気づいていたようで答えが返ってきた。

「準備は良い?」

「超大丈夫です」
「うん」

 御坂さんが後ろを振り向いて絹旗さんと滝壺さんに声を掛けると、二人ともしっかりと頷いた。丁度その時、アンチスキルの車両が爆発したのである。

「どうしたの!?」

『なっ!』

 爆発音に気づいて御坂さんが前を向くと同時に、白井さんの驚いた声がレシーバーから聞こえてくる。

「車が超爆発したみたいです」

『木山春生が……能力を使ってますの。アンチスキルの車両を能力で破壊したんですの!』

 絹旗さんは前を向いていたこともあって何が起こったのかは見えていたようなので、それをそのまま呟くが、それに監視カメラ映像を見ていたと思われる白井さんが情報をもたらしてくれる。

「木山先生って能力者だったの!?」

『いえ、木山春生に能力開発を受けた記録は無いわ』

 木山春生が能力を使うことに関して、絹旗さんと滝壺さんにはすでに可能性を伝えてあったので驚いたのは御坂さんだけだったのだが、そこに固法さんからの情報が追加される。

 俺が車を木山先生のランボルギーニの隣に止めると、その瞬間アンチスキルの車両が一台竜巻に巻き上げられて消えていった。爆発の煙が凄くてアンチスキルの姿は確認できないが、木山先生はこちらに背を向けているのでまだ俺たちには気づいていないのかもしれない。

 御坂さんと絹旗さんと滝壺さんが降りたのを確認して、俺は自分の車を作成空間に収納する。御坂さんは停車する前から初春さんが乗っていると思われるランボルギーニに注目していたので、アンチスキルの車両が飛ばされた所すら見ていないのだろうし、こちらのことはエンジン音で気づいたのかもしれないが、振り向く気配を見せなかったので大丈夫だろう。

「初春さん!!」

 御坂さんがランボルギーニの中で気を失っている初春さんに呼びかけるが、初春さんが反応する様子はない。

「心配ない。戦闘の余波で気を失っているだけだから大丈夫だ」

 御坂さんの声でこちらに気づいたのか、木山先生が振り返ってこちらを見ていたのである。

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