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ソードアートオンライン フィストイズサムバディ
New Gate
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目の前は賑やかだった。青々と微笑む大空のしたにはレンガ造りの家々が建ち並ぶ大通りがあり、そこでは頭上に横文字や記号を列ねている人々が右往左往と渡り歩き、路上では小瓶に詰めた鮮やかな色をした液体や若い葉を持つをした薬草を陳列している屋台。頑丈そうな鉄製の武器やぶ厚い皮を使った防具が並べてあるレンガ造りの家の一階部分にあたる店。その屋台や店の店主たちが我こそはというように通って行く人々に向かって決まった商売文句を叩きつけている。
そんな活気の溢れる商店街のような街並みの大通りのど真ん中にぼーっと立ち尽くす青年がいた。
青年は黒いジーンズに白いTシャツを着て薄くも頑丈そうな黒革を使った胸当て、手甲、ブーツを着込んでいた。その後ろ腰にはやや短い銅製の剣が備えられていて、右の手甲の上からは木製の小盾がつけられていた。
冒険者の初期装備というのにふさわしい装備の青年はぎこちない動きで辺りを見回していると目の前からフード付きのマントをたなびかせて金髪の少女がパタパタと駆けてくるのが見えた。

「おお〜い、やっと見つけました!まさかログインポイントとスタートポイントが違っていることに入ってから気づくとは私の誤算でした。おや、体調が優れない様子ですがどうかなさいましたか?」
「えーと、いや、これ普通に喋れるんだよな」
「そうですとも、現実(あっち)の世界と同じように喋ることで仮想(こちら)での会話は成立します」

それがなにか、とでも言いたげな風に目の前の金髪の少女は小首をかしげる。その細かな動きはまるで現実世界の彼女を見ているかのように錯覚されるほど自然な動作だった。とても仮想のものなんて思えない。
しかし、青年の体調が優れないのは喋れるとかそのような些細なことではなく。

「本当に顔色が優れないようなのですがもしかして酔いました?」
「いや、なんというか四方八方から視線を感じる、というか全身に服がまとわりつくように見られている気がするんだけど。気のせいかな」
「あぁ〜まあ、そうですね。初期段階の仮想酔いの症状の一端ですねそれは。大丈夫です、そのうちすぐに慣れるものらしいですから!」
「そうだといいんだk.........あれ、マズイな、胃の圧迫感というか」

悪寒がしてきた。頭痛と似たような痛みが発生し身体が急速にだるくなっていく。なにかに内蔵を押し上げられているかのような不快感が生まれていくのがわかる。吐き気にも似たような感覚は冷や汗、実際には出ないが、を背中に感じさせるものだった。

「いきなり酔いの末期症状じゃないですか!!街中で状態異常にかかる方は初めてですよ、アウトしてください、ログアウト!
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