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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-39
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った恩を返そうというもののあるかもしれない。けど、それ以上に誰かがいないと何もできない一夏を支えようと思ったのだ。それが自分ができることだからといわんばかりに一夏のそばにいるようになる。
ーーーーできれば、立ち直ってもらいたいな。
彼女の偽りない本心だった。
箒は、力だけを追い求めるようになった。先の福音事件の際、何もできずにただ指をくわえてみていることしかできなかった彼女は、一夏の隣に立てるようになれるだけの力を欲した。姉である束から専用機を貰いながらも更なる力を求めた。そうして求めた力がどれほど脆く、儚いか。それを押しててくれる人は彼女の周りにはいなかった。
たったそれだけが、それだけの違いが同じように束を守るために力を求めた連との違いだったのだ。連には束がいた。けれども、箒には誰もいない。一夏でさえ、自分のことで精一杯である。
◯
「私はいったい何者なのだ。どこのものでどんな人だったのだ。そもそも私の名前は何だったのか。本当に何もわからない……」
扉とベットしかない無機質な部屋にいるきれいな銀の髪を無造作に流す彼女。記憶をすべて抜き取られ、一切の責任を負わされ、流されるがままにたどり着いた先はIS学園で。今まで冷たくされてきて、ここに来ていきなり暖かくされて何がどうなっているのかわからないまま部屋に戻されて、ルームメイトらしき人物との会話で自分の記憶がなくなっていることに気づかれたらしい。
あの少女は自分のことをラウラ・ボーデヴィッヒと呼んでいたが、それが私の名前なのだろうか?
何もわからない。
ただ……インフィニット・ストラトスとかいったあの機械の乗り方はすぐにわかった。どうして乗れるのかは分からないが、おそらく自分の体に染みついていたのかもしれない。次にどんな動きをすればいいのかはすぐに判断ついた。
分かっているのはそれぐらいである。後何も分からない。自分の名前がラウラ・ボーデヴィッヒであるらしいってことぐらいか。
どうして自分が黒い眼帯をしているのかさえも分からない。試しに取ってみても視界には何も影響はなかった。そのままでいいのかもしれない。
「私はいったい誰なんだ……?」
彼女の呟きは部屋の壁に反射してかき消される。当然誰も聞いた者はいなかった。
◯
満天の星空。人工的な光が一切存在しない太平洋上のどこかにある小さな無人島。IS----インフィニット・ストラトスの生みの親、篠ノ之束はそこにいた。
一時、自らが愛する相手からも離れてたった一人でいる。特に何もするわけでもなく、見つけた島の浜辺に寝転がって静かにきらめく星々を見ていた。
「…………」
波のさざめきだけが辺りに木霊して、な
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