暁 〜小説投稿サイト〜
大陸の妖精
孤独な雷鳴
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「ウォーレン、おまえ・・・何故神鳴殿の事を・・・?」

エルザが念話を通してウォーレンに問う



(その声はエルザか!? 無事だったか!?)


しかし返ってきたのはウォーレンの声ではなく、倒されたはずのグレイの声



「グレイ!? そうか、お前が・・・」

神鳴殿の事をウォーレンに伝えたのはグレイであった

ウォーレンを偶然見つけて念話を使い神鳴殿の事を皆に教えるようウォーレンに指示したらしい



(すまねえ、オレの念話はギルドまでは届かねえ・・・とにかく聞こえている奴だけでいい!! あの空に浮いているものを・・・)


「ウォーレンてめぇ・・・オレに何したか忘れたのかよ」

マックスの声がウォーレンの言葉を遮った、その声には怒りの感情が込められていた

何故ならマックスはバトル・オブ・フェアリーテイルでウォーレンと戦い、そのまま倒されてしまっていたからだ

マックスの言葉が火種となり、次々と念話を通じてのケンカが始まる

するとグレイがウォーレンの耳元向かって叫ぶ



「喧嘩なら後でやれ!!!!」

「お前が言うな!!!!」

声が混じり合い誰とも分からぬ者から返事が聞こえる

しかしグレイはひるまずに叫び続けた



「今は時間がねえ!! 空に浮いているのを壊せ!!」

「よ・・よせ、あれには生体リンク魔法が・・・」

神鳴殿の説明をせずにただ壊せと叫ぶグレイに対し、エルザが止めようとする

しかし喧嘩や言い合いで興奮している魔導士たちにエルザの声が聞こえるはずもなく、各々が魔水晶に視線を移す



「決着はあれを壊した後だー!!」

「ビジター、てめえそこを動くなよォ!!」

「マカオ、おめえにゃ無理だ寝てな!!」

「んだとォ、ワカバ!! ジジィのくせにハシャぎすぎだヨ!!」

それぞれ好き勝手な会話が飛び交いつつも皆が魔水晶を壊すため、自身に魔力を集中させる



「行くよハッピー!!」

「ルーシィ本気? 痛いよ?」

「痛くてもやるのっ!!」

ルーシィとハッピーも魔水晶に向けて構える



「おまえたち・・・」

その様子を念話を通じて理解したエルザは口元を綻ばせ呟いた

そして左手に持った剣を振り上げ、高らかに叫んだ



「北の200個は私がやる!!! 皆は南を中心に全部撃破!!!」

「一コも残すなよォ!!!!」

エルザとグレイの叫びを合図に魔導士たちが神鳴殿に向かって一斉に魔法を放つ

すると次の瞬間、空に浮かんでいた300個の魔水晶は一度に全て破壊され神鳴殿の機能は完全に停止した



「何だ何だ!?」

「オオッ」


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