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転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1299話
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「ナデシコ、聞こえているな?」
『アクセル!? ちょっと、あんた今どこに……』
『無事なのね、アクセル?』

 俺が映像モニタに映し出された瞬間、即座に反応したのはエリナとハルカの2人だった。
 これは喜ぶべきか? ……喜ぶべきなんだろうな。

「心配掛けて悪いな。ただ、今は知っての通り時間がない。詳しい話はここを乗り切ってからだ。現状のままでは地下の件でディストーションフィールドを張れないのは分かったが、移動するのにどれくらい掛かる?」
『10……いえ、5分ってところね』

 ハルカの言葉に、相転移エンジンの予想以上の使いにくさに思わず眉を顰める。

「しょうがないな。分かった。その間は俺が責任を持ってナデシコを守るから、ディストーションフィールドを張る必要はない」
『そう言われましても……こちらとしては、アクセルさんを完全に信用出来るのかどうかと言うのもありますし』

 プロスペクターの言う事ももっともだ。それは理解出来る。
 元々俺という存在は、このナデシコ世界のDNA検査でも調べる事が出来ず、身元不明という扱いになっており、ネルガルの力で戸籍を用意して貰った形だ。
 いや、その時点ではそれ程悪くはなかったのだろう。
 ミロンガ改という未知の機体のパイロットという事だけを考えれば、多少不審人物であっても黙認する程度の余裕はあった筈だ。
 だが、今は違う。ブリッジにいたのに、影のゲートを……この世界の住人にとっては全く理解出来ない影によってその場から消え去り、そして今乗っているのは俺の本来の機体であるミロンガ改ではなく、全く見知らぬ機体。
 それであっさりと俺を信じるとはさすがに言えないだろう。

『分かりました、信じます』

 ……言えない筈、だったんだけどな。
 まさか、艦長がこうも簡単に断言するとは思わなかった。

『ちょっ、艦長!? そんなあっさりと決められては困ります!』
『大丈夫です! だって、アクセルさんは今まで何度も私達を守ってきてくれたじゃないですか! なら、今度も信じてみましょう! ……アクセルさん、お願い出来ますか?』
「……ああ。任せろ。ナデシコはきっちりと守ってやるよ。それにしてもこの状況であっさりと俺を信じるなんて言葉が出るとはな。テンカワには勿体ないくらいのいい女だよ」
『え? あの、その、でもぉ……すいませんけど、私はアキトという恋人がいるので、口説かれても困ります。それにハルカさんやエリナさんに悪いじゃないですか』
『艦長! 貴方、こんな時に何を言ってるの!』

 エリナの言葉が聞こえてくる。
 全く、色々と個性的なメンバーが揃っている艦だ。
 だがこうして信じられた以上、こっちもそれに答えてみせようという気になってしまうのも当然だろう。

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