プロローグ
前書き
「という事であなたには転生してもらう事になったのです。」
「.....チッ、分かった。
その条件を受けよう。ふん、このまま地獄へ行くよりはマシ、だろうからな。」
男は女の言葉を聞きながら、不満げに呟いた。
黒髪に中肉中背で目付きの悪い男。
名前は大神 冷(おおがみ れい)。
生前はヤクザ紛いを事を生業に生活していた彼だが、とある神のきまぐれにより20代という若さで命を落としてしまったのだ。
いくら悪人でも、神が勝手に命を奪ったり、与えるのは禁止されており、許されない行いらしく、その神はすぐに降格されたらしい。
そして、現在は目の前の女が新しい神で前の神の尻拭いのため、俺を転生させようとしているという訳だ。
それも笑える話で、ガキの頃していたカードゲームの世界に飛ばされるらしい上に、精神だけの転生で他者と共有し、サポートまでしなくてはならないらしい。
突拍子もない話だが、根拠が無い訳でもなく、自然と納得した。
「それでは、すぐにでも転生してもらいますが、いいですね。」
女(神)が掌を向ける。
すると冷の周りに光が広がり始めた。
「遊戯王の世界ね.....俺としては元の世界の方がいいんだが?」
「残念ながら、あなたはあちらで死を迎えているので、もう転生はできません。
善人であれば、話は違ったのですが。」
何度目かのその問いに女は律儀に答えた。
「そうかい。」
「ええ。
代わりにあなたが生前に使っていたシンクロ、エクシーズ以外のデッキを使えるようにしておいたわ。
もっとも宿主の彼は使えないですので、入れ替わっている間だけですが。」
彼とは宿主となるガキの事だ。
ご丁寧に名前も大神 冷と生前の名前と同姓同名の奴を選んだらしい。
他に俺が知っている事といえば、デュエルアカデミアとかいう遊戯王の学校の受験生で顔はそれなりだが、気が弱く、デュエルも弱いという事くらいか。
一度そいつの姿を見たが、もっとマシなのはいなかったのかと思ったな。
それで察してくれ。
「あっ、それと言い忘れてましたが、アカデミア入学は絶対にして下さい。
いえ、させて上げてくださいね。
じゃないと物語から外れるので、強制的に貴方は消える事になりますので。」
「たく.....つまりこのクソガキの面倒を見ろって事か?」
「はい、そのためのサポートですから。
では、転生させますので、よろしくお願いいたしますね。
二度目の人生、お楽しみ下さい。」
女神の言葉で俺は意識を失った。
前書き
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