第六話 声も身体もその八
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「言われてみればね」
「私達より女の子らしいわ」
「もう完全にね」
「女の子よ」
「最近何か言われるけれど」
男子達に言われたこと、そして百貨店でナンパされたことも思い出してだ。優花はそのうえで女の子達に言葉を返した。
「女の子から見てもなんだ」
「字からね」
「そう思ったしね」
「それでよく見ればね」
「実際に、だから」
女の子らしくなってきているというのだ。
「女の子よりも女の子らしい」
「今の蓮見君ってそうよ」
「何か本当に女装させいたいわ」
「そんな風にも思ったわ」
「女装って」
優花はその言葉を聞いてだ、戸惑った顔になって返した。
「僕そうした趣味ないよ」
「だから例えよ」
「あくまでね」
「そう思ったってだけで」
「蓮見君が女の子っぽい」
「それだけよ」
「そうなんだ、けれどね」
それでもとだ、また言った優花だった。
「僕はもっと男らしくなりたいんだ」
「男性的ってことね」
「つまりは」
「肉食系とまではいかないけれど」
それでもというのだ。
「イチローさんみたいに」
「お髭生やしたり」
「そういうのがいいの」
「うん、けれどお髭もね」
顎を触るとだ、それもだった。
「ないしね」
「まだ生えないでしょ」
「十六位じゃ」
「大体十八?」
「二十歳位じゃないの?」
「生える人はそろそろだよ」
髭が生えてくるとだ、優花は話した。
「十六でね」
「そうなの、生えるの」
「十六でなの」
「もう生えてくるの」
「そうなの」
「そうした人もいるよ、ただね」
それでもと言った優花だった。
「僕はもう全然なんだ」
「奇麗な顎ね」
「形もお肌も」
「どちらもね」
「つるつるでね」
「いい感じよ」
その顎もというのだ。
「お髭いらないでしょ」
「蓮見君の場合は」
「生やすつもりはないけれど」
それでもというのだ。
「やっぱり生えないのと剃ってるのじゃね」
「また違うの」
「そうなの」
「うん、やっぱりお髭はね」
それこそはというのだ。
「男の象徴じゃない」
「まあね」
「女の子にも生えるけれどね」
「実は産毛とかね」
「生えるけれど」
優花が女性的なせいかだ、女の子達はかなり気兼ねなくこの辺りのことを話した。物腰もかなり砕けている。
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