第六幕その九
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「日本なんだ」
「そういえばこのビールもね」
「イギリスのビールの味じゃないね」
「エールとも違うし」
「日本人はビールとエールの違いは殆どないしね」
「うん、これは日本のビールだよ」
紛れもなくそれだというのです。
「紛れもなくね」
「お水が違うしね」
「日本のお水が使われてるから」
「また味が違っていて」
「日本のビールになってるんだね」
「そうだね、これがまたいいね」
先生は何杯もおかわりして楽しんでいます、そのビールを。そうしてそのうえで動物の皆にお話していくのです。
「幾らでも飲めるね」
「はい、そういえば最近ですけれど」
トミーは先生にこんなことをお話しました。
「最近プリン体とか糖分のないビール出ていますね」
「ないかかなり少ないね」
「そうしたビールも売られていますね」
「日本人の健康志向は凄いからね」
「だからですね」
「そうしたビールも開発されたんだ」
トミーが言うプリン体や糖分のないビールがです。
「日本でね」
「そうなんですね」
「これまでビールを飲み過ぎるとね」
「どうしてもですよね」
「うん、プリン体のせいでね」
トミーが最初にいったこれの影響で、というのです。
「痛風になったね」
「先生は大丈夫でしたけれど」
「痛風になる人多いですからね」
「イギリスもそうだけれどね」
「ドイツは特にでしたね」
「ドイツ人は相当飲むからね」
そのビールをです。
「イギリス人以上にね」
「朝は食欲がないとそのビールに生卵を入れて飲みますから」
「それは栄養補給にはなるけれど」
それでもというのです。
「痛風にはね」
「よくないですね」
「学生さん達にこのお話をしたことがあるけれど」
先生が教えている人達です、八条大学医学部の。
「皆驚いてたよ」
「日本の人達にとっては」
「朝からビールを飲んでね」
「しかも生卵をその中に入れて飲むと」
「確実に痛風になるからね」
「だから驚いたんですよね」
「有り得ないって言ってね」
そこまで驚いたのです、先生の生徒さん達は。
「栄養学的に」
「日本の食生活ではとてもですから」
「想像も出来ないからね」
「そう、それでね」
だからというのです。
「皆驚いてたよ」
「そうなるのも道理ですね」
「日本ではね」
「日本では朝酒ともいうしね」
王子は焼いたお野菜を食べつつ言いました。
「やってはいけないことの一つとして」
「朝酒、朝寝、朝風呂だね」
「その三つはね」
「絶対に駄目だからね」
「そう、日本ではね」
それこそというのです、先生も。
「それは駄目だからね」
「余計に驚くんだね」
「それこそ朝からお酒を飲んだら」
それがビールでもです。
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