機動戦艦ナデシコ
1298話
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れまで全くこちらに情報が存在しなかった双胴艦……いや、大型艦を複数出すような真似をしてまで、俺達を火星に突入させたくなかったように見える。
しかも、ナデシコが火星へと到達する2週間程の間、散発的に攻撃を仕掛けてデータを集めた上で、だ。
つまり、木星蜥蜴はそこまでして火星を守りたかったからという事になる。
……何故だ? 何故そこまでして火星を守りたがる?
木星蜥蜴の本拠地が実は火星にある? いや、それはない。そもそも木星蜥蜴はその名前通り木星の方から攻めて来たからこそ、木星蜥蜴という名前を付けられたのだから。
だとすれば……考えられるのは前線基地? BETAがハイヴを作るように木星蜥蜴も自分達を作る製作所みたいな場所を火星に作ってるのか? いや、それは有り得ない。そんな物があれば、ナデシコに捉えられない筈がない。
それこそ、ASRSやミラージュコロイドのようなステルス装置の類を使っていれば話は別だが、木星蜥蜴がその手の技術を使っているというのは聞いた事がない。
勿論大型戦艦のグラビティブラストや今回のディストーションフィールドのように、向こうの新技術としても出してくるという可能性は十分にある。だが、それでも……
その瞬間脳裏を過ぎったのは、ネルガルの研究所で見たチューリップモドキ。プロスペクター曰く、ナデシコの始まり。
「敵のフィールドも無敵ではない。連続攻撃でディストーションフィールドを破れ!」
俺の考えは、ゴートの口から出たその言葉によって遮られる。
そうだった、今は悠長にそんな事を考えている場合じゃない。現状を何とかする方が先決だろう。
「は、はい。ハルカさんグラビティブラスト発射準備!」
だが……
「無理よ」
ハルカの口から出たのは、その一言。
何故? 俺以外にもそう思った者は多いのだろう。その場にいた何人もの視線がハルカへと向かい……
「ここは真空ではないから、グラビティブラストを連射するには相転移エンジンの反応が悪過ぎる」
……なるほど。それが相転移エンジンの弱点か。
グラビティブラストを発射出来るだけの大出力を持つが、真空……宇宙以外の場所、例えば地上とかでは大きくその能力が落ちる、か。
欲しい技術かもしれないと思ってはいたんだが、この弱点を考えるとシャドウミラーで一般的なブラックホールエンジンの方が色々な面で圧倒的に優れているな。特定の機種にしか使われていない時流エンジンにしても、地上では出力が落ちるといった事はないし。
「どうする? あたし達が出るか?」
「無理だよリョーコ。数が違いすぎるから、逆に集中攻撃を受けて挽肉にされちゃうよ」
ブリッジの中に響くリョーコとヒカルの声。
それは事実だ。こちらの戦力はエステバリスが5
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