機動戦艦ナデシコ
1298話
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て作られたのか。目的は? 火星を占拠した目的は?」
「だからだなぁっ! そんなの関係ねえだろ! 俺達がいれば木星蜥蜴なんぞ、どれだけいようと全部倒してみせる!」
再びブリッジに響くヤマダの声。
いや、声を上げたのはヤマダだが、ブリッジにいる殆どの者がそれに同調するような態度を取っている。
それは先程ヤマダを止めたテンカワですら同じだ。
……違うな。テンカワだからこそ、なんだろうな。
このユートピアコロニーはテンカワの故郷。そこで出会った火星の生き残り。普段は大人しいテンカワがムキになってしまうのも当然か。
「君の心、解説してあげようか?」
「ああん? 解説だぁ? 何だってそんな真似をするんだよ」
唐突に話題が移される。
何だって解説? そんな風に思っている間にも、イネスは言葉を続ける。
「君が小さい頃から憧れていた正義の味方。それを目指してきたんでしょうけど、実際に君はそこまで強くはない。それどころか、その性格を考えれば猪突猛進して周囲に迷惑ばかりを掛けている。更に、ナデシコをここまで連れて来たのは実質的には君じゃなくて、あの未知の機体。だからこそ、ここで自分の力を発揮して、己の存在意義をしっかりと周囲に示したい。……いい? 勝ったのはあの機体であって、君じゃないの。君は単純にあの機体におんぶに抱っこして貰ってるだけ。君は英雄になりたいのかもしれないけど、誰でも英雄になれる訳じゃないの。君は英雄じゃなくて、端役でしかないの」
イネスの口から出たのは、あながち間違いって訳でもない。実際、俺が……ミロンガ改が火星にくるまでにナデシコで大きな力となったのは事実なのだから。
だが、完璧に正しい訳でもない。
ナデシコとエステバリス。そしてこの艦のクルーの能力を考えれば、俺がいなくても無事に火星に到着出来た可能性は高いだろう。
「っだとこらぁっ!」
だが、それを聞いていたヤマダは我慢出来なかったらしく、イネスへと向かって踏み出そうとし……すると、まるでそれが合図だったかのように、ナデシコの中に警報音が鳴り響き、すぐにルリが現状の報告を口にする。
「敵襲です。敵は双胴艦……いえ、大型戦艦20、小型戦艦70。チューリップもその背後に多数」
双胴艦の呼び名は大型戦艦という事になったのか。まぁ、小型戦艦がカトンボなんだから、そのうち大型戦艦の方にも何か呼び名はつくだろうが。
ルリの報告を受けた艦長の判断は早かった。間髪入れずに指示を出す。
「グラビティブラスト、最大威力で発射します!」
その声に従い、ナデシコから放たれた重力波砲が真っ直ぐにこっちへと向かってくる木星蜥蜴の無人機へと向けて放たれ……
だが、重力波砲特有の黒い光が消え去った後で映像モニタに映し出され
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