第2章:埋もれし過去の産物
第41話「散り行く雪」
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。
だけど、今回ばかりは...それしか、道はなかった...!
「っ....だが!何かもっといい方法が...!」
「なかったんだよ!...何もかも都合良く行くと思うなよ!!」
「ガッ...!?」
もう視界にも入れたくない。
そんな想いで頭を掴み、地面に叩き付ける。
「...何が導王だ。何が“導きの王”だ!....結局、人一人も導けてないじゃないか...!」
「優輝....。」
拳を握りしめ、僕はただただ後悔していた。
〈...いつまでそうしているおつもりですか?〉
「...えっ?」
抱えていた緋雪の服の中から、声が聞こえてくる。
そうだ、そう言えば...!
「シャル...!」
〈もう一度問います。いつまでそうしているおつもりですか?マイスター。〉
目なんてないのに、真っ直ぐ僕を見定めるように問いかけてくるシャル。
〈...お嬢様の最期の言葉、忘れたとは言わせませんよ?〉
「最期の...言葉...?」
確か、シュネーは...緋雪は最期に...。
〈今度は無駄に手遅れにするつもりですか。マイスター。〉
「...分かってる。...行かなきゃ...な...。」
“ユーリ・エーベルヴァインを助けてあげて。”
それが緋雪の最期の願いだった。
「優輝、その体でどこに行くつもり?」
「....まだ、戦いは全て終わっちゃいない...。」
「....分かってると思うけど、貴方の体は....。」
椿が僕を心配してそう言ってくる。
...ああ、分かってるさ。
「立ってるのも辛いほどボロボロだよ。」
「っ...なら、どうして....っ!」
椿はなんで僕がそうしてまで行こうとするのか聞こうとして、気づく。
....まったく、察しがいいのも嬉しいやら悲しいやら...。
「....緋雪が、僕に託した最期の想いなんだ。....叶えてやりたい。」
「.....そう。」
僕の言葉に、椿は誰かと目配せをする。
視線の先には....葵?
「言っても止めないなら、せめて死なないように。」
「こっちの事は、あたし達に任せて。」
―――術式“大回復”
十枚の御札が二重の五芒星を描き、僕の体を癒していく。
「いくら想いを叶えたいと言っても、さすがに傷が大きいわ。」
「だから、あたし達からの選別!」
霊力による治癒で、僕の体は焼石に水程度だけど癒されていく。
「.....ありがとう。」
短く、一言だけ礼を言って僕は飛び立った。
「(...大気中の魔力を使って体の治癒。..
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