第2章:埋もれし過去の産物
第41話「散り行く雪」
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うパターン...だ。
「....ヴィヴィオ達が辿った未来は、この世界とは違うんだよ....!」
「っ.....!?」
僕はそう言い、手に持っている緋雪の遺品に目を落とし、ただただ嘆く。
...周りの皆も、絶望しているようだ。
「―――ふざけるなよ!!」
「.....あ...?」
ふと、怒鳴り声が近くで聞こえた。
見れば、そこには織崎が立っていた。
「っ、もう気絶から目覚めたの...!?」
椿がそう呟いている所から、気絶から回復してきたのだろう。
「どうして...どうして彼女を殺した!!」
「.........。」
顔を怒りに染め、胸倉を掴んで僕にそう言ってくる織崎。
...本来なら、胸を締め付けられるような言葉だろう。
...だけど、今の僕には響かない。
「....るせぇ.....。」
「答えろ!どうして殺した!なんで助けなかった!!」
....イラつく。
こいつの言葉が、上辺だけの言葉にしか聞こえない。
どうして殺した?なんで助けなかった?
「うるせぇよ!!」
「っ...!?」
胸倉を掴まれたまま、見下ろすように僕は織崎に怒鳴る。
「殺した?ああそうだよ!僕が殺したんだよ!だけどな、それがあいつにとって一番の救いだったんだよ!!」
「っ....ふざけるな!殺される事が救いだと?!そんな訳ないだろうが!!」
...そんな訳ない?何を根拠に?
なんでコイツはシュネーの考えを決めつけてるんだ?
「お前にシュネーの何が分かる!あいつがどれだけ苦しみ、悲しんでいたと思っているんだ!綺麗事ほざいてんじゃねぇよ!!」
「それでも!殺すなんて事...!」
ああ...イラつく...。
なんだよコイツ。ふざけてるのはそっちだろうが...!
僕どころか、シュネーと緋雪の想いすら汲み取らないのか...!
「なんでもかんでも決めつけんじゃねぇ!!殺すな?殺す以外に何が方法あるって言うんだ!!」
「っ...それは...!」
「あいつは血を吸わなければ自壊するだけだった!...でもな、あいつは“人間”でいたいから、“兵器”に堕ちるのを拒んだ..!だから、“人”として死にたいと、僕に願ったんだよ!!」
どう足掻いても、シュネーを傷つけるだけだった。
だから殺してほしいとシュネーは願った。
「“人”として死にたい。...それがあいつの最期の願いだったんだ!それを殺すな?助けなかった?...上辺しか見てない偽善者が勝手な事言ってんじゃねぇ!!」
苦しみから解放されるために死ぬ。
それは賛否両論ある事だ
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