第2章:埋もれし過去の産物
第41話「散り行く雪」
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震える。手が、震える。
認めたくない。助けれないのを。
諦めたくない。その身を救う事を。
...でも、分かってる。無理だって言う事が。
「リヒ、ト...!カートリッジ、ロード....!」
〈....Jawohl...!〉
震える手を抑えながらも、僕はリヒトを水平に構え、カートリッジをロードする。
...リヒトも、認めたくないのだろう。この現実を。
デバイスなのに、まるで僕のように声が震えていた。
「....もう一つ、志導緋雪としての最期のお願い。.....あの子を、ユーリ・エーベルヴァインを助けてあげて。...まだ、間に合うから....。」
「っ....分かっ、た....!」
魔力が、リヒトの刀身に集まる。
手が震える。止まらない。トマラナイ。
...だけど、しっかりと緋雪を、シュネーを見据える。
最期だから、目を逸らしてはダメだから。
「...行くぞ...!」
「....うん。」
僕も、彼女も涙を流す。
それでも、僕は魔法を放つ。....それが、彼女の願いだから。
―――....ありがとう。大好きだよ、ムート。
「っ、ぁああああああああああああああ!!!」
〈“Aufblitzen”....!〉
―――ザンッ!
....血と、首が宙を舞った。
「っ....ぅう....!」
振り払ったリヒトを、待機形態に戻す。
体はボロボロだった。...けど、それ以上に、心が壊れそうだった。
「緋雪....シュネー.......。」
...ふと、上から何かが降ってきた。
―――雪だった。
「っ....ぁぁ...あああ....!」
二月だから、雪が降ってもおかしくはないだろう。
...だけど、その雪が緋雪を強く連想させられた。
「緋雪....シュネー....。」
彼女の首は、すぐ近くに転がっていた。
一瞬で斬ったから、あまり飛ばなかったのだろう。
...それに、彼女の顔は、死んだというのにとても安らかだった。
...だけど、それさえも灰へと還った。
「っ....うあああああああああああああああああ!!!」
叫ぶように、僕は涙を流した。
救うと誓ったのに、救えなかった。
助けたいと願ったのに、助けれなかった。
「なんのため
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