第19話 二人の初春
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レーザーを出そうとするが......
「こっちで良いんですね?」
クルッと木山の方を向くと、ニコッと笑い掛けた。
構うものか、どちらでも
この妙な能力を止めなければ
レーザーの出力を高めていくが
「本当に良いんですね?」
ニヤリと耳まで裂ける笑顔を浮かべた初春の姿に木山の動きがまたしても止まる。
サソリさんだったら強力なカウンター攻撃を用意しています
その言葉に手が止まる。
目の前の初春は、一気に木山との間合いを詰め、拳を固めると木山の腹部を殴りつけた。
「がはっ!」
「残念!こちらは偽物さんでした」
殴られた腹部を抑えて苦しむ木山を尻目に初春は合流し、同じくリセットをする。
凄い......あの木山さんを翻弄してます
能力を多用する木山でさえもこのサソリが考えた奇抜な作戦には何もできないでいた。
護るべき者を攻撃手段に変えるとは......
考えたな
木山はこの嘘吐きと正直者の問題を解くための質問を考えていた。
たった一つの質問でこの妙案が崩せるはず。
左右で橋を叩いている二人の初春を観察する。
見た目と声、仕草が全く同じ。
片方は、あの赤髪君だ。
男と女......
考え事をしている木山の後ろから初春が体当たりをして考えの邪魔をさせる。
「考えているなら私から攻撃しちゃいますよ」
「しちゃいますよ」
おうむ返しで反応するもう一人の初春。
こうやってサソリは指示を初春に出す。
質問をするためにもう少し情報が欲しいところだ。
レベルアッパーで使えるようになった『読心能力(サイコメトリー)』を使うか。
対象に触れる事で思考を読み取る能力だ。
外見が同じであろうが、中身は違う。
クルクル回っている初春達の一人に狙いを付け、走り寄った。
バラけた初春の右側を移動している初春を手を掴む。
「こちらが本物だと思います?」
またしてもその問いだが木山は構わずに眼を閉じて思考を読み取ろうとする。
サソリ初春がピクッと反応した。
相手の情報を読み取るつもりか?
血継限界とか使っているから何でも有りだな
だが、読み取る時って隙だらけだ
「それはさせませんよ」
別の初春がチャクラ糸で引っ張りバランスを崩すと目の前の初春が意を決したように木山の腕を掴んで自分も倒れこむように転ばせた。
残念ながら思考を読む事は出来なかった。
「こうも邪魔をされるとは」
倒れたままの木山にチャクラ糸を出していた初春が近づいて、拳を振り上げる。
「くっ!」
木山は能力の一つである、電撃を一瞬だけビリリと反射的に放出した。
ピタッ......
拳を突き出そうとした初春の顔色が変わり、直前で止めた。
「?」
舌打ちをすると初春が向きを変えて、もう
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