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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第19話 二人の初春
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叩きつけれた。
「がっ!?」
この能力は、赤髪君の!
後ろの彼女が「赤髪君」だったのか......

木山を転ばせた二人の初春は、木山の目の前で嬉しそうに手錠された両手でハイタッチをすると互いの手を掴んでクルクルとその場で回転した。

これでどちらが本物かどうかがリセットされる。
回転が終わるとまたしても道の左右に分かれて倒れた木山を牽制するように道路をコンコン叩いていく。
「う?!」
頭をしこたま打ちつけた木山は起き上がり、バラけた二人の初春の行動に疑問を浮かべながらもこれに似た論理問題を思い出した。

嘘吐きと正直者
どちらか一方が嘘しか言わない人でもう一方が本当のことしか言わない人がいる。
ただ一回だけの質問をして、どちらが正直者かを当てる問題だ。
解き方は、それぞれだがどちらかを「真実」であると仮定して両者の発言の矛盾を探る方法がある。
木山もそんな問題を知っていたが、現実で突きつけられるとは思わずに冷静に頭を働かせようとする。

この場合では
正直者→初春
嘘吐き→サソリ
となりそうだ。

「上手くいきました」
「上手くいきました」
どちらかが言えば、もう一人がおうむ返しに言葉を繰り返した。

ならば二人同時に攻撃をしてみるか......
木山がポケットからアルミ缶を二本取り出すと前後にいる初春へ投げようとする。
「爆発します」
「!爆発します」
一方の初春が気づいて声を出す。それによりもう一方の初春も言葉を繰り返した。
チャクラ糸を腕に引っ付けると二人の初春が指を動かし、それぞれのタイミングで引っ張った。
「くっ!」
片方の腕が不意に引っ張られてバランスを崩した木山がアルミ缶を的外れの位置に投げてしまう。
一つのアルミ缶は空高くに、二つ目のアルミ缶は、橋の下に落下した。

「伏せます」
「伏せます」
二人の初春がその場で耳栓を指でしながら爆風に備えた。
少しの時間の後に上空でアルミ缶に黒い点が出現し、エネルギーが急速に高まって大規模な爆発をした。

サソリがここに来てから起きたレベルアッパー使用者による連続爆破事件。
通称『虚空爆破(グラビトン)事件』
アルミを基点にして重力子の速度を急激に増加させて、一気に撒き散らす。
つまりアルミさえあれば爆弾を造ることが出来る能力だ。
前回は御坂の活躍で解決したがサソリは入院中だったので知らない。

ふざけんな!
血継限界の『爆遁』も使えるのかよ!
初春が声を出さなかったら、巻き込まれる所だった!!

身体全体を道路に寝転んでいるサソリ初春が頭のお花畑とは、程遠い鋭い目つきで悪態をついた。
そして初春の目元へと変えて、起き上がる。
合流した二人の初春は、またしても嬉しそうにハイタッチをするとクルクル回
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