第七話 スーパーホットプルーム
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くから浮かびあがってくる、
スーパーホットプルーム。
そう、これこそが武井の言っていた“でかいもん”の正体だったのである。
これは、巨大なドーム状の熱いマントルの塊で、強い磁力を持っている。
それが地面近くに浮かび上がると地場が乱れて衰弱していく。
同時にものすごい地殻変動が起きるため、火山の大噴火や大地震が起こる。
このところ各地で起きている大地震は震源地がどれも浅いが、
それもやはり、スーパーホットプルームが地表に近づいている証拠なのだという。
また、海底のメタンハイドレートが大量に溶け出すと、急激な地球温暖化も懸念される。
あとは、武井から聞いた話しのとおりであった。
磁場の急激な衰弱がどれほどの大惨事を招く前兆なのか、
百香はようやくその恐ろしさを実感できた。
「じゃあ、そのスーパーホットプルームを取り除くために
私たちサイキックの力が必要だということなんですか?」
「そのとおりです。今の科学技術では、とてもそんなこと、不可能ですからね。
状況はかなり切迫しています。どうかご協力ください。」
武井が百香と楠田の顔を交互に見ながら話しに割って入る。
「ねぇ博士、彼女、なかなかの美人でしょ?」
「ええ、そうですね。」
「やだ、武井さん。なに言い出すんですか?」
百香の頬が赤く染まり、年甲斐もなくあたふたしている。
「ははは、美男美女でお似合いかなぁと思いましてね。」
「まさか、博士も独身でらっしゃるんですか?」
百香の問いに楠田も照れ笑い。
「ええ、実はそうなんです。バツイチですがね。」
軽い会話が始まったのを見計らい、摩周が百香の膝に飛び乗った。
なんて空気の読めるいヤツなのだ君は。いい子だよ。
太いしっぽをぶんぶん振ってお客様にアピールなんかしちゃって。
「かわいいネコちゃんですね。」
“かわいい”という言葉に超高感度な摩周。
楠田に向かって「みゃ〜」と人懐こそうにお返事のサービス。
でも、ママの様子がさっきから変だ。
なんだか声がうわずってるぞ。
さては、あの男に気があるのか?
途端にくるっとトグロを巻き、ご存知ニャンモナイト摩周に変身。
まあ、そう拗ねるな摩周よ。ママだって女だ。
たまにはご主人の移り気に目をつむってやるのが
飼い猫の使命ってもんだぞ。
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