機動戦艦ナデシコ
1297話
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ダがいらない事を言ったんだろう。
何を言ったのかは分からないが、それでも恐らく間違いない。
基本的にヤマダは、感情の赴くままに行動する事が多い。
最近ではメグミとの関係もあってその辺は直っていたようだが、それでも完全とはいかなかった訳か。
「どうする? まさか、助けに来た相手に攻撃されるとは思っていなかったけど」
『どうする、と言われましても……取りあえず私達が姿を見せれば、向こうも驚いてこちらの交渉に乗ってくるのではないでしょうか?』
そうだろうな。ナデシコでの運用を前提にしていたエステバリスなら、あのイネス・フレサンジュとかいう女もナデシコの開発者だけに知っている可能性はある。
だが、俺の乗っているミロンガ改はさすがに見た事がない筈だ。……いや、見た事があると言われても困るが。
それを考えれば、ミロンガ改が姿を現せば当然向こうも警戒してこっちの交渉のテーブルに着くというプロスペクターの考えは間違っていない筈だ。
「なら、それでいいか? 折角ここまで迎えに来たんだから、ここで奴等と戦いになるような事になったら面白くないだろ?」
『お願いします』
プロスペクターからの返事を受け、俺はシャトルに先行するような形でナデシコの方へと向かう。
今まではミロンガ改から一方的に向こうの様子を見る事が出来ていたが、こうして近づけば向こうからもこっちの姿が見えたのだろう。テンカワやヤマダに銃を突きつけていた者達が見るからに動揺しているのが分かる。
それでもイネス・フレサンジュの方は少し目を見開いただけでそれ以上の動揺はない。
あの立ち位置から考えて、恐らくあの女が火星に残っていた者達のリーダー格なのだろう。
そんな一行の前に着地すると、ビームマシンガンの銃口を向ける。
「さて、交渉といこうか」
外部スピーカーのスイッチを入れ、そう告げる。
向こうが好戦的なのかどうかは分からないが、それでもこの状況で戦いを挑んでくるような事があれば、それは自殺願望の持ち主としか言えない。
何しろ、向こうが持っている武器とこっちの武器とではその大きさが圧倒的に違うのだから。
『……銃を向けて交渉をするというのが、今の地球のスタンダードなのかしら?』
「さて、どうだろうな。相手が銃を向けてるんだから、こっちも銃を向ける。おかしな話じゃないと思うが? イネス・フレサンジュ博士」
その言葉に、一瞬身体が固まる。
まさか自分の名前が知られているとは思ってもいなかったのか?
まぁ、実際こうして火星で生き残っている人物がいて、しかもそれがネルガルの社員で、更にはナデシコの開発者だ……なんて、偶然が幾つも重なった結果だ。
『そう、そうよね。ナデシコが来ているという事は……それにしても、その
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