3部分:第三章
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顔はね。悪くないし」
「そうそう、男は顔だよ」
政之はまた己の問題のある性格を見せるのだった。
「だったらそれで決まりだよな。それじゃあ早速」
「早速って!?」
「ベッド行こうぜ、ベッド」
「ベッドってまさか」
これはすぐにわかった。明日香も知らないわけじゃない。
「あんた、もう!?」
「付き合うんだったらいいじゃないか」
明日香を半ば強制的にベッドの方に連れて行って言う。
「だろ?それじゃあ」
「あんたってこれまでの彼女にもそうだったの?」
「そうだよ」
ここでも平気な顔であった。
「悪いか?」
「嫌な性格してるわよね、本当に」
「よく言われるさ。それで駄目なのか?」
「駄目じゃないけれど」
ここまで強引だと逆らうことができなかった。明日香としても観念するしかなかった。そうさせるのもまた政之の悪い意味での技量であった。
「わかったわよ。行きましょう」
「じゃあ付き合うんだよな」
「私に拒否権ないんでしょ?」
「あると思うのか?」
やはり性格が悪い男だった。
「ここまで来て」
「そんなのだから嫌われるのよ」
「嫌われても平気だな」
ここでもこう言う。
「何を今更」
「本当に性格が悪いのね」
「毎日みたいに言われてるさ」
だからこそ平気だった。
「まあそれで堪える奴はそもそも芯が細いんだよ」
「あんたに限ってそれはないみたいね」
「全然。言う奴には言わせとけばいいんだ」
それが彼の考えであった。
「違うのか?」
「実際にそんなこと言った人はじめてだわ」
明日香もこれには呆れた。
「ある意味尊敬に値するわ」
「じゃあ尊敬してくれ」
そう言って明日香をベッドに座らせた。彼はその前にいる。
「いいよな、これから」
「断ることできないんでしょ?」
明日香は少し憮然とした顔で政之に言った。
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