第20話 上流と下々の社交の場
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に戻る大和は士郎の聞く。
「質問で質問に返すのは申し訳ないんですけど、それは誰から聞いたんですか?」
「勿論、京からだ。終始惚気話を随分前に聞かされてな、途中にそんな話が出たんだよ。それから―――――」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
解ってはいたが矢張り京かと、溜息を吐く。
(俺が告白を受け入れないから周囲の人から埋めていく気だな)
「・・・・・・やっぱりあれは京の嘘か」
士郎は大和の溜息ぶりを見て、京の惚気話の信憑性の低さがほぼから完全に移り変わった。
「嘘って気づいてたんなら、如何して確認取るんですか?」
「一応・・・な。――――後もう一つ聞きたいんだが、如何して京じゃ駄目なんだ?」
「京から話を聞いてるのであれば、判る筈です。アイツは真剣なんですよ?」
そう、大和が京の告白を受け入れない理由はそこにあった。
全員とはいかないが、告白を受け入れてから付き合い出しても、それ=婚姻確定では無い。
しかし都はそのステップをすべて無視して、大和に告白を受け入れられたら死ぬまで離れない覚悟でいるのだ。
その為、大和自身もそれを本気で受け入れた上で、愛せる覚悟が無いまま中途半端にするわけにはいかないと言うのが“言い分”である。
勿論、京から直接話を聞いているので、士郎も事情を察する事は出来た。
それ故、こんな提案をする。
「だったら仮初の付き合いを京に提案してみればいいんじゃないか?」
「それは駄目なんですよ。アイツはその仮初の付き合いを、一日で既成事実を作るために押し倒しに来る筈ですから」
「そうなのか・・・。けど、京の様に何所までも一途に思っている娘もそんなに居ないんじゃないか?親しい友人以外には内気だった自分を、変える努力をした所なども評価に値するだろう?」
「・・・・・・」
京は確かに昔から内気だった。
風間ファミリー以外のメンバー以外とは最低限の礼儀も取るか怪しかった。
それが約半年前、大和の忠言も聞いてこなかった京が突然社交性を努める様になったのだ。
そして今では最低限の挨拶と、自分から話しかけないが誰かから話しかけられればそれにちゃんと対応して話すようにもなって来たのだ。
大和としては嬉しい変化ではあったが、ある疑問が残った。
京に変化を促した要因は何なのかと。
そして今日までもその疑問はあったが、京をひたすらに薦める士郎を前にして、何故かその理由が士郎にあるのではないかと思った。
「衛宮先輩、重ね重ね質問で返す失礼を承知で聞きます。京が変わった理由を何か知ってますか?」
「ん?ああ。俺がな、直江と将来結婚した時のために、今の内から社交性を上げる努力をした方が良いぞと助言
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