第20話 上流と下々の社交の場
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距離が開いていないので、本来なら常人離れしている聴覚も持つ士郎の耳にも届くのだが、ある力――――ご都合主義が働いて士郎の耳には届く事なかった。
そして先ほどから潔白を証明しようと、大声で周囲に説明するモロにトドメが来る。
「私は自分の観察眼に中々の自負を持っていたつもりだったが、これはまだまだ修練が足らんな。すまん師岡、お前の性癖を見抜けなかった」
「ちょっ!?きょ、京極先輩まで!?」
「師岡、お前の趣味を否定する気は無いが、すまない。俺にアブノーマルな性癖は無いんだ。だからお前の気持ちには応えてやれない」
士郎と京極のまさかの言葉に、モロは驚きを隠せなくて・・・。
「な、なな、な・・・」
『な?』
「なんで誰も信じてくれないのさぁああああああぁあああ!!?」
モロは泣き叫ぶように絶叫した。
−Interlude−
今度はモロがキャップと同じように隅の方に居た。
モロとしては、確かに話題を逸らす事によって人に知られたくないコンプレックスを隠せたが、ある意味それ以上にダメージが大きかった。
何より、ダメージを与えたのが――――。
「――――まさか、衛宮先輩や京極先輩まで話に乗ってくれるとは思いませんでしたよ?」
「乗る?何の話だ?」
先程の結果は、冬馬と準と大和とガクトの4人は悪ノリの冗談だったが、復帰した少年心満載のキャップと最後の2人である士郎と京極は、至って真面目だったのだ。
まぁ、その分性質が悪く、モロ自身に一番ダメージを与えたのだが。
「あっ、いや、こっちの話です・・・・。でも衛宮先輩って、何時の間にそんなに鍛え上げられた体だったんですか?去年の体育祭は水上体育祭でしたけど、今見たい程引き締まってましたっけ?」
「これは単に気で体をコーティングして、偽装してただけなんだ。周囲の人に引かれると思ったからな」
「・・・・・・・・・」
それは無いと大和は思う。
士郎本人が知り得ているか否かは兎も角、非公式である士郎の愛好会ができる位だ。
恐らく士郎のファンたちが知れば、更に熱狂的な信者になることは間違いないだろう。
「・・・・・・え、なおえ、直江?」
「えっあっ、はい?」
士郎の発言で物思いに耽っている所に、士郎に声を掛けられて我に返る。
「オレも直江に聞きたい事があるんだが、いいか?」
「えっと・・・・・・何でしょう?」
「直江は高校卒業と同時に京と結婚するんだよな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」
士郎の口から出た言葉があまりの事に、頭の中が真っ白になる。
しかしそれも一瞬の事。
直に正気
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