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ソードアート・オンライン 神速の人狼
圏内事件 ー対決ー
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とヨルコさんたちの関係があり、今回の事件についてよく知る誰かしらが情報をリークしたとしか考えられない。 しばし考える素振りを見せたPoHは、殺伐とした空気の中で陽気に問いに答えた。

「なに、今夜丘の上でステキなParty(パーティー)が開かれるって招待を受け、俺らはそれに乗っただけ。 そしたら、豪華にも攻略組が三人も居たってわけさ」
「お前らに情報をリークした奴は、誰だ!」
「さぁなぁ……? なんなら力づくで喋らしてみるかい?」

 ニヤリと笑うと、包丁の背で肩を叩き挑発する素振りを見せる。 しかし、それに乗った瞬間、後ろ二人とシュミットが食い散らかされる事は目に見えている。 誘いに乗ってこないと分かると、PoHの口元が歪む。

「なんだ、勇猛果敢なWolfかと思えば、玉無しかよ。 まぁ、いいか。 さて、豪華なメンバーが揃ってる手前、どうやって楽しんだものかねぇ?」
「アレ!あれやろうぜヘッド!」

 即座にジョニーが甲高い声で陽気に叫んだ。

「殺し合わせて、生き残った奴だけ助けてやるぜゲーム!ま、ハンデは必要だろうけどな」
「ンなこと言ったってオメェ。結局生き残った奴も殺したろ」
「ああぁ!ヘッド、それ先に言っちゃダメなヤツすっよ!」

 緊張感のない、しかしおぞましいやり取りに殺気めいた感情が込み上げてくるのを自覚する。 日々命を賭して、現実へと帰ろうと努力しているのにこんな風に人の命を弄んでいいのか!

 苛立ちを募らせる中、名案が浮かんだのかPoHは包丁の切っ先をユーリへと向け、ゲームの内容を宣言する。

「あぁ、じゃあこうするか。 ジョニー、ザザ。 オメェらでハンティングしてこい。 ターゲットは、そこの 臆病犬 (Chicken)だ」
「は……?」
「は?じゃねえよDog。 俺を失望させた分、せいぜい楽しませろ。 やり遂げられたら、そいつら見逃してやってもいいんだぜ? 」
「くそったれ……!」


 二つに一つか。 シュミットの麻痺毒ももう暫くすれば、効果が終了するはず。 それまで耐えればいいだけだ。 手下二人なら、耐えるどころか、撃退できる自信はある。 それに〈人狼〉スキルの恩恵で、相手が如何にハイレベルな麻痺毒を使用しようがそれで倒れる事はない。

 決意は決まった。しかし、それを止めさせようと腕を引かれる。後ろを振り返れば、大鎌を片腕に抱えたシィが不安で揺れる眼差しを自分に向けていた。

「待って……、ダメ、だよ!」
「……大丈夫。 シィは三人を守ってて」

 か細い声で心配する相棒を慰めようと頭に手を置き、グジグジと撫でてやる。不安を解消されたてあろう頃を見計らい、撫でるのを止め、一歩大きく踏み出す。

「ヒュー、見せてくれるじゃねぇか騎士(ナイト)
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