圏内事件 ー対決ー
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事を愉しむ殺人者プレイヤーの集団。
今まで犯罪者プレイヤーは、集団で少人数のプレイヤーを脅し、金銭やアイテムを強奪するだけで、プレイヤーの命そのものを奪おうとはしていなかった。
しかし、一部の犯罪者を扇動し、殺人者とたらしめたのが、今ユーリたちの目の前にいるポンチョの男、Pohである。
アインクラッド最大の危険人物を前にして、ユーリは自身の運の悪さを悔いた。 状態異常を即座に回復できる結晶アイテムは、今ので最後だったのだ。 ストレージの中に予備はあるが、彼奴らはメニューを呼び出す暇さえあれば、嬉々として俺らを殺しにくるだろう。 エストックと毒塗りのナイフをそれぞれ構えた手下相手なら、ダメージを受ける覚悟で止めようと思えば、止められるが問題はPohの方だった。
男が持つ中華包丁のような大型のダガー〈友切包丁〉は、ーー現時点のプレイヤーメイドで最高クラスだと自負しているーー自分の刀〈神刀ー神威ー〉に並ぶ性能を持つモンスタードロップ、いわゆる〈魔剣〉クラスであり、その切れ味はシュミットの堅牢な防御力でさえ、紙のように引き裂く。 布装備がメインであるヨルコさんたちが〈友切包丁〉の一撃をもらえば、ひとたまりもない。 さらに、数多のプレイヤーを殺した本物の殺人鬼は、プレイヤーの経験値やアイテムリソースを得ており、レベル、実力は攻略組に匹敵する程。 頼れる相棒がいるとは言え、被害者ゼロで殺人者プレイヤー共を退けられるかは、正直わからない。
せめて、一人でも戦力を増やそうと一か八か、メニューを開こうとするも目敏くPohによって制止させられる。
「おっと、動くなよDog。 何かしようってんなら、そこの男女二人を真っ先に殺すぜ?」
「「ひっ……??」」
「くっ……そ!」
身を寄せ合い、目の前の恐怖に震える二人のか細い悲鳴を聞き、PoHの言葉に従う事を余儀なくされる。右手を下ろし、従う意思を示すと、気をよくしたのか、フードから唯一覗く口元がニヤリと嗤った。
「随分と素直じゃねぇか。 よく躾けられた飼い犬は嫌いじゃねぇぜ」
「ハッ、薄気味悪い格好した奴らに気に入られたくもないね」
「ほぉ、吠えるじゃねぇかDog!」
殺人鬼の殺気を真正面から受け止め、額から汗が流れ落ちる。無言で睨み合いを続ける中、先に言葉を発したのはユーリだった。
「一つ聞いてもいいか。 なぜ、お前らがここにきた」
シュミットがギルメンにここに来る事を伝えるとは考え辛く、また過疎っている地域を理由もなく彷徨う理由がない。 何より、シュミットへの奇襲はあらかじめ来ると分かっていなければ困難だったはず。
だとすれば、シュミット
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