第一部 少年たち
第四章
神機と己
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こと)
私は、ヴァジュラの攻撃をぎりぎりのところで避ける。しかし、このヴァジュラはまだ本領を発揮していない。ヴァジュラの攻撃手段はターミナルで嫌ほど学んで頭に入っている。そこから推測するまだ私が体験していない攻撃が数種類残っている。それを一回、見てみないと切り込めない。オラクルの補充も弾丸だけでは、大したダメージにもならない。それに攻撃に備えて全神経を張っているから、見切る前に疲れでやられる!
ヴァジュラはそろそろ攻撃が当たらないことにいらつき感じ始めた。そして、大きく跳ねて特大の電気球を放ってきた。私はとっさの判断で装甲を展開してガードする。しかし反動で身体が後方に下がり、態勢を崩す。地面にも電気球は当たっており土煙が舞、視界が奪われる。
(しまった。これでは次の攻撃に備えることが)
目の前にヴァジュラが現れ、雷を体に纏った突進をしてくる。それはさっきまでの突進とは勢い速さが全く違う。それを態勢の崩れた状態で受ける。装甲を展開していたとはいえ、相当の威力に体が後方へ吹っ飛ぶ。地面を転がる。私は、自力で勢いを殺し、最小限のダメージで身体を素早く起こし、ヴァジュラの方を見る。ヴァジュラは間髪入れずに次の攻撃モーションに入っていた。雷を纏った体でまた突進をしている。私は、気づいてすぐ回避行動に入ったが雷を纏ったマントに左腕をかすめてしまう。
勝つにはどうしたらいい? 何回も試行錯誤しても答えは出ない。みんな私を過大評価している。誰ですか。ヴァジュラ単体を一人で倒せると思っていたのは!! 自分が嫌いになる。私も他の同期と一緒で、ヴァジュラを舐めていた。これじゃ私もこの世界では早死にする。でも、だから、倒せなくてもいい、今は、生きることをあきらめるわけにはいかない。
この戦いに勝てなくても生きて、この経験を次に活かそう。
覚悟を決めてヴァジュラに向かい合う。するとヴァジュラはまさかの方向を見ていた。その方向には、応援が駆けつけていたわけではなく。ただ一人のゴッドイーターが立っていた。
「こっからはオレが引き受ける」
そう言ってそのゴッドイーターは、ヴァジュラに向かって一歩を踏み出す。絶対に無理だ。素直にここは応援が来るまで二人で戦った方がいい。そんなことは頭ではわかっていても、そのゴッドイーターの威圧感に少し私は怯んでしまい。そのことを口に出すことはできなかった。そこからの光景は、圧倒的だった。
ヴァジュラの叫びの後、雷の纏った突進をする。その攻撃を装甲で受ける。衝突の衝撃が起こる。しかし、その男は全く押し飛ばされることなく、堂々と立っている。
「そんな攻撃でオレに効くと思ってるのか?」
その装甲を鈍器のように扱いヴァジュラの顔を殴る。衝撃でヴァジュラは視線がターゲットからそれる。その隙にさっき
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