第一部 少年たち
第四章
神機と己
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第4章 神機と己
今、俺は夢でも見ているのであろうか? 目の前には凶悪な化け物がいる。勝てる可能性は極僅か。きっと、俺で倒せない。少なくとも今は。足が震えている? いや、足だけじゃない全身が震えあがっている。この危機を乗り越えたらきっといい経験になるだろうか? 答えはわからない。でも、この危機を回避するための希望は、俺じゃない。きっと今も凛としているルイだろう。
「攻撃来る。構えて。構えろ!!」
ルイの声が聞こえた時、俺は現実を見る。
ヴァジュラが勢いよく突進してくる。その速さについていくことができず、その攻撃を真正面から受けてします。体は宙を舞い、何回転もする。地上に落ちても勢いは衰えることなく、地面をえぐるように遥か後方に転がっていく。
「グハッ」
体中が痛む。普通の人間なら確実に死に至るだろう。力が入らなく、地面に横たわってしまう。ヴァジュラがよだれを垂らして近づいてくる。するとヴァジュラの目付近に弾丸がさく裂する。
「こっちよ!!」
ルイが叫ぶ。ヴァジュラがゆったりと顔をルイの方へ向ける。威嚇するように唸るとルイの方へ向かって突進する。ルイはそれを華麗にかわす。そのまま距離を取りながら、銃撃戦をする。
「くっそ、本当に天才かよ」
眩む視界。気を失っても可笑しくない全身の痛み。ゴッドイーターという仕事が命あってのものとよくわからされ、いやというほど実力差を痛感する。それとともに自身の無力さも。そう昔から無力だった。アナグラに来る前からずっと。守られることばかり、守ることは全くない。だからこそ、このゴッドイーターになった。なのに………。
ルイがこっちにヴァジュラの意識が向かないように戦っているのがわかる。俺はどこに行っても足手まとい。
「ルイさん、サキさん。聞こえますか? 応答してください。今、そっちらに応援が向かっています。10分程で到着する予定です。それまで堪えてください」
無線から連絡が入る。応援が来るのか。これで助かる可能性が増えた。………可能性が増えた? 助かる? 他人の力で? 守られて? 嫌だ。いやだ、そんなの俺の目指しているゴッドイーターじゃない。俺はみんなを守る存在にならないと………。
くっそ、瞼が重い。
「サキさん至急、回復してください!!」
回復……。そうだ、回復したらまだ戦え…る……か。
「サキさん反応してください!」
もう、オペレーターの声も何言っているかわからないや。
◎
「全く、一人で倒せる気配が感じられない。できることなら自分で倒したい。でも今は!」
私は作楽の方を確認する。
(作楽はきっと生きているでも、早くしないと危ないことは間違えない。私は救命入れる程余裕はない。できることは、注意を引き付ける
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