一章
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空中都市 ファルアルーエ
飛空挺の開発にも使われる浮遊石を使い空に揺らぐ街。美しく、王族の住む城があるこの土地はマーテルの雄大な葉と一番近づける場所と有名な大都市である
「つっても、陸からそんな離れてねぇけどな。雲の上ですらねぇ」
「こら!夢も希望もない!それより城だぁ〜!はじめてみたぁ〜」
そこの入口に退屈そうなゼロと興奮を抑えきれないシルクはいた。この大都市にて行われる飛空挺運転技術試験を受けるためにだ
たとえまだ街に入っていなくても、ゼロは常に周りを警戒する。直接的に何らかを仕掛けてくる貧民がいないかわりに、ここには大勢の軍人がいる。一般人ならともかく、軍人でゼロの顔を知らないものはいない。
「あんまりはしゃぐな。目立つだろうが」
「あ……ごめん。でも大きいねー。城って。近くで見てみたいな」
「無駄にデカイ只の家だろ」
他の寂れた街ならばともかく、このような大都市でましてや王族の住むような王都では、国それぞれの法がある。世界政府の定めたそれとはまた別に
「いいか。お前は試験を受けに来たのであって、ここに住むやつじゃねぇ。この国ではそういうやつから金をとる」
「えぇええ!??」
「入国審査。ほら、受けてこい。受けてねぇやつは牢屋いきだぞ」
「え?ゼロは??」
「俺は行ったら死亡だよ」
「ですよねー」
シルクが振り替えるとそこにゼロの姿はなく、ため息つきながら子供ひとりで関所をくぐった。そこには人が大勢いて、順番に名前を呼ばれる。シルクは初めての雰囲気の冷や汗を流した。
「ねぇ、見てあの子……」
「1人なのかな?」
子供ひとりで関所で番号を待つ
周りが不審に感じるのは無理もなく、さまざまな目線がシルクに向けられた。同情、不信感、疑い、哀れみ。しかしそのどれも気にすることはない。緊張でそれどころではないのだ
「158番のかた」
「!!」
シルクは急いで受け付けに向かい、偽の個人証をだした。受付はその写真とシルクの顔を照らし合わせ、専用の機械にいれる。そして尋ねるのだ
「なぜこの街に?」
決まりきった質問にシルクは胸を張ってこたえた
「試験を受けるため!飛空挺の試験をです」
つづいて試験申し込みの受領証をだす。怪訝な顔をする受付だが、それも確かに本物。こんな子供でも試験を受けることができるのか、と怪しむ
「……あのー、ぼくこれでも二十歳ですよ。個人証にも書いてあるけど」
「え!?」
作ったようなドヤ顔でシルクはもう一枚の紙を出す。眉間にはっきりとシワを刻んだ受付は、それをゆっくりと受けとる
「……診断書」
若
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