6部分:第六章
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は許さん!」
今度は彰人に対しての言葉であった。だが日和が彼に言葉を返したのである。
「そんな奴は誰だろうと!俺が殺す!」
「だからそんなの絶対に駄目よ!」
何故か日和は普段よりもさらに意固地になっていた。
「折角私にもボーイフレンドができそうなのに!」
「そんなもんいらん!」
健一は一言でその存在を頭から完全否定してしまった。
「ボーイフレンドなんぞ!御前には不要だ!」
「それじゃあ何だったらいいんですか?」
だがここで彰人が口を開いたのだった。そうしてゆっくりと健一に対して述べたのだった。
「ボーイフレンドが駄目だったら何だったらいいんですか?」
「なっ、こいつ」
「組長に」
健一の後ろで今はただ彼の怒鳴り声を聞くだけだった組員達は彼の思いも寄らない言葉を聞いて思わずそれぞれの目を丸くさせたのであった。
「楯ついた!?」
「こんなのはじめて見たぞ」
「俺もだ」
目を丸くさせたまま口々に言うのだった。
「まして今の組長に対して言うなんて」
「こいつ、まさか」
「何だったらいいんですか?妹さんとお付き合いするには」
「ほう、小僧」
健一は彼が自分に対して言ってきたのを前にして少し黙ってそのうえで彼に目を向けてきたのであった。
「俺に対して言うつもりか」
「はい、そうです」
彰人もまた彰人であった。正面から彼の目を受けた。こうして視線が合った二人は玄関において完全に対峙するのであった。
「その為に来ましたから」
「そんな奴ははじめてだ」
彼は話を聞き得れこう彰人に述べるのだった。
「今の状態の俺にな」
「そうなのですか」
「その意気に免じ聞いてやる」
「わかりました」
「それでだ」
再びその目の光が激しくかつ強いものになる健一だった。
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