ダークハウンド
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葬られたので、今は彼らの眼から逃れつつ生きるしかない状況です。そのため再び光の当たる世界に戻るためには、彼らを打倒しなくてはなりません。しかし彼らは今も暗躍を続けていて、私の生まれ故郷から核兵器をこの世界に秘密裏に持ち込み、何か恐ろしい事を行おうとしています。それが何なのかはまだ明確に判明していません。でももし彼らの思惑が実現してしまえば、それは全ての世界で未曾有の大混乱が生じて秩序が崩壊し、かつてのベルカ戦争を上回る大きな争いに発展してしまう。そうなったら私や皆さんの家族や友人、仲間、大切な人達や守りたい人達、大勢の無辜の市民の血が流れてしまう。そんな悲劇を現実に起こす訳にはいきません。だから私は心苦しくも管理局にいる友達には何も伝えないまま、皆を守る戦いに身を投じています」
演説みたく自らの気持ちを語るなのはの姿を、局員達は固唾を飲んで見つめている。彼女の説得で局員達の心がほだされていく中、彼らが気付かない内に部屋をそっと抜け出したビーティーは妖しくも不敵に笑う。
「(言葉で連中の感情を貫くつもりか。案外面白い奴だな……どれだけの間共闘するかわからんが、それまでは俺が頭から足の先までじっくりねっとりたっぷり見ていてやるぞ、ネイキッドエース?)」
「皆さんに管理局を裏切って戦ってほしいとは言いません。嫌な戦いを強いるような真似はしたくありませんから。私がここに来たのは、皆さんに知ってほしいからです。私達が本当に戦うべき敵を、通さなければならない筋を、守らなければならない人達を。そして……忠を尽くす道、友に誇れる生き方、未来を信じる心、そういった私のありのままの姿を皆さんの眼で見てください。そして考えてください、皆さんが本当に正しいと思える道を、自分に誇れる選択を」
やがてなのはの演説が終わるが、しばしの沈黙の後、局員達から拍手が鳴り響いた。そうしてなのはの説得を受けた局員達は一斉に彼女に協力する姿勢を見せ、さり気なく彼女の英雄度が上がるのだった。
新暦67年9月18日、20時12分
ブレイダブリク・ホーム。
「―――ってなことが夕方にあったのさ」
「へぇ〜。なのはが説得してくれたおかげで、捕虜の局員達が協力的になってくれたんだ。僕はそんな風に上手く説得出来ないから素直にすごいと思う」
「おかげで今後のミッション中に捕縛、回収した局員は牢獄内で彼らが代わりに説得してくれるのか。あまり目立つ援護ではないが、なのはに力を貸したいという彼らの意思はちゃんと伝わって来るな」
「私自身は大した事はしてないよ。私はただ自分の気持ちや世界の真実を正直に全部話しただけで、信じてくれたのはあの人達が本当に良い人達だからだよ」
「いやいや、謙遜しなくてもいいって。彼らがなのはを信じてくれたのは、なのはの真剣な
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