ダークハウンド
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りにも等しい愚かな行為だ」
「何とでも言え! あんたがまだ姉御を殺すつもりなら、アタシが相手になってやる! 姉御をどうにかしたいなら、まず先にアタシを殺せ!!」
「そうか。なら望みどおりにしてやろう」
両腕を広げて立ち塞がるアギトに、スカルフェイスは魔導師を殺す事に特化した銃弾が詰められたライフル銃を向ける。自らの魔法が通じないと分かっているアギトは、せめてもの抵抗としてスカルフェイスを睨み続けた。
「さらばだ、融合騎。お前から得られたデータは今後も有効活用させてもらおう」
「くぅッ!!」
ズドンッ!!
――――キンッ!!
「……?」
発砲の瞬間、ギュッと目を閉じていたアギトは何も痛みが襲ってこない事で、おずおずと目を開ける。するとそこには……、
「黒い……鎧?」
突然現れた黒い鎧。それを纏っているのはセミロングの紫の髪をたなびかせ、先端が尖った巨大な突撃槍でスカルフェイスの銃弾を防いだ華奢な少女。それは世紀末世界にジャンゴ達を連れてきた、あの少女だった。どこからともなく姿を見せた彼女に、スカルフェイスは訝し気に顔を歪めた。
「お前は誰だ?」
少女はその質問に答えずに背を向け、マキナを優しい手つきで抱え上げる。ハッと気を取り直したアギトが慌てて彼女の前に移動する。
「お、おい!? 姉御に一体何を」
「静粛。彼女を治療できる場所に連れていくのが最優先」
「え!? あ、いや、それはわかるんだけどさ!? あんたは何者なんだよ!?」
「黙秘。とにかく掴まってて……暗黒転移」
「待て!!」
スカルフェイスの静止の声も聞かず、少女はマキナとアギトを連れていずこかへ転移、姿を消した。最後の最後で想定外の乱入者が登場した事でスカルフェイスの計画に少しは狂いが生じるかもしれないが、しかしスカルフェイスは余裕粛々といった様子だった。
「まぁいい、今更計画を知られた所で、ただ障害が増えるだけに過ぎない。もし計画を阻止されたとしても、やがてそれらは全て“ゼロ”になる。管理局も、聖王教会も、アウターヘブンの連中も、ひとつの大きな流れの中にいることに気付いていないのだ」
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