ダークハウンド
[13/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
てる事を狙っていた。跳弾した弾丸と正面からの弾丸を同時に直撃させ、倍以上のダメージを髑髏に与えたのだ。想定外の場所に攻撃を受けて髑髏はひるむが、しかしダメージを与えたのは片方のみ。もう片方の髑髏は彼女へ接近し、マチェットを振り被っていた。
しかし彼女はそれすらも見切って身体を横にずらし、回避しながら彼女が今まで出した事が無い超高速のCQCでマチェットを奪い取ると目の前の髑髏を引き裂く。ノコギリを使うように足で押さえつけ、何度もマチェットを押しては引き、斬り裂いた。その髑髏も傍で倒れているのと同じく虫の防護が剥がれて力尽き、そして残った一体に対してもマキナは光速に匹敵する素早さで接近、CQCで強引に捕らえてスタンナイフで首切りした。致命傷を負った最後の髑髏もまた、その場に倒れた。
「一人でスカルズを撃退したか……。その姿でそこまで動けたとは大したものだが……貴様も酷い姿だな?」
その問いに彼女は答えなかった。否、正確には答えられなかった。
グシャァッ!!
「ッ!!?」
スカルフェイスの方へ踏み出そうとした瞬間、マキナの全身に引き裂かれたような傷が入り、血が噴水の如く吹き出した。魔力切れで治癒魔法が身体強化魔法より先に途切れたせいで、抑えていた負荷が炸裂したのだ。
最早ゾンビの方が見た目の損傷は少ないと思うぐらいの怪我を負ったマキナは、限界に達して前のめりに倒れていく。だが彼女は倒れる寸前に残った最後の力で、スカルズの防御を失ったスカルフェイスへ実弾を発射する。
「クックック……報復心が肉体を動かす事は“燃える男”が証明しているが、まさかお前にそこまで強い意思の力があったとはな。評価を改めよう……だが」
薄ら笑いを浮かべるスカルフェイスは突然顔が黒くなり、額に当たった弾丸を弾き返した。
「スカルズを越えても、私にはそれを上回る力がある。お前の怒りは届かなかったな」
そうやってマキナの無力を嘲笑するスカルフェイスは、確実に彼女を仕留めるべく、コツコツと死神の足音を立てて近寄る。その時、動かないマキナの服の中から突如飛び出てきたアギトから火炎弾が発射される。避ける素振りも見せず、火炎弾はスカルフェイスに直撃するも、煙が晴れた時に見せた姿は全くの無傷だった。
「その程度の炎では、こそばゆいだけだ。あの施設を出てからもまるで進歩していないな、ベルカの融合騎?」
「それでも……それでも尻尾巻いて逃げられるかよ! 姉御は隙を見て逃げろって言ったけど、やっぱそれは受け入れらんねぇ。姉御を置いて、自分だけ助かるなんて出来っこねぇよ!! 姉御はアタシをあの地獄から助け出してくれた、今度はアタシが姉御を助ける番だッ!!」
「その心意気は立派だが、本来の役目を放ってまで自らの感情のままに行動するとは、裏切
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ