グラビア撮影?
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「うぷ・・・」
俺たちは今、馬車に揺られながらあるところへと向かっている途中である。メンバーは珍しく俺とウェンディのみ。いや、正確にはシャルルとセシリーもいるから四人だな。
「シリル、大丈夫?」
心配そうに俯いている俺の顔を覗き込んでくる藍髪の少女。俺は例によって乗り物酔いが発動しており、かなり正直しゃべるのも厳しい状況にある。そのため、二、三回うなずくだけに留めておく。
「まぁ、さすがにウェンディのトロイアも、こんなに長旅じゃ持たないわよね」
「あと少しだから頑張れ〜!!」
俺が座っている正面の座席から二匹の猫がそう言う。彼女たちはさっきまでは俺の脇とウェンディの脇に一匹ずついたのだが、俺が乗り物酔いになった途端距離を取るように離れていった。薄情な奴等め・・・
「あ!!見えてきたよシリル!!」
「う・・・」
口に手を当て戻さないようにしながらウェンディが指さす先を見る。そこには今回の目的地である『週間ソーサラー』の建物が見えてきていた。
「生き返ったぁ!!」
その建物の前で止まった馬車から飛び降りると、大きく腕を広げて深呼吸する。おかげでさっきまでの吐き気がウソのように吹き飛んでいく。
「でも意外よね、ナツやエルザじゃなくて、シリルとウェンディにソーサラーから取材の依頼が来るなんて」
「そ〜?二人共頑張ったんだし、妥当だと思うけどな〜」
走り去る馬車に一礼していると、ソーサラーの編集部の方を見ながらシャルルとセシリーがそんな会話をしていた。
実は今回、俺たちがここにやって来た理由はある依頼が来たからである。それは・・・
『COOL!!大魔闘演武で活躍したシリルちゃんとウェンディちゃんに是非とも取材させてほしいんだCOOL!!』
といういつも通りのテンションのジェイソンさんからギルドに依頼書が回ってきたからだ。はっきり言うと依頼書じゃなくて手紙で回してもよかった気もするのだが、その辺は真面目な人なのかもしれないな、記者だし。
「あれ!?ウェンディ!!シリルも!!」
俺たちが入り口の前に立っていると、後ろから聞き覚えのある少女の声がする。そこには、蛇姫の鱗のシェリアとレオン、そしてラウルがいた。
「シェリア!!」
大好きな友達に会えたウェンディは彼女の胸へと飛び込む。それに対しシェリア頬を緩ませながら彼女をギュッと抱き締める。
「レオン!!」
「よう」
相も変わらず食べ物を口に食わえているレオンは片手をヒョコッと上げるだけの簡単な挨拶で済ませてくる。もっと友達なんだからテンション上げてもらえないかな?
「シャルル、セシリー、久々〜!!」
「あんた今日はネコなのね」
「こないだもそうだったじゃ〜ん!!」
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