第18話 罠
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鳴られたけど、初春さんを助けて木山を止めないと。
あたしが止めないと
あたし以外にいないんだし
タクシーを止めて、さっきジャッジメント本部で感じた磁場反応から方向を指定して向かう。
御坂のスカートのポケットの中にはサソリから渡された砂鉄が入り、静かに御坂からの振動を受けて揺れていた。
御坂はその事をすっかり忘れている。
******
木山は、高速道路上でレベルアッパーの副産物である能力を用いて、捕縛しにきたアンチスキルを返り討ちにしていた。
能力が使えるのは「超能力開発」のカリキュラムを受けた者、もしくは現在受けている者だけだ。
つまり、「学生」という身分の者しか能力を使うことが出来ない。
それに加えて木山は、複数の異なる能力を行使できた。
普通の能力者が通常では一系統の能力しか扱えないと決まっているのに、発火能力、爆発、水......など同時進行で扱えるようでアンチスキルの対処容量を大きく上回っている。
初春は、車から飛び出て砂で出来た壁をよじ登ろうと手錠が掛けられた両手を掛使って登ろうとするが、砂がバラバラと崩れて視界が一気に開けた。
木山が能力を使用した事も驚いたのだが、木山の前に突如として現れたサソリが初春を困惑させる。
まだ初春の記憶では、サソリは歩くのが満足に行かず、車椅子で生活している。
それなのに目の前のサソリは二本足で自然に歩行している。
木山と向き合っていたサソリは印を高速で結び、チャクラを集めていく。
すると地面から砂塵が舞いがり、木山へと一直線に飛んで行った。
数十個の砂で出来た手裏剣が木山目掛けて飛んでいく。
ザッザッザッと硬質な砂が何かに当たる音がして砂埃が一層悪くなり視界を奪う。
サソリは指を胸の前に置きながら様子を見ている。
ただ単に、木山を倒すだけではない
どうすれば木山に勝てるのか、何をすれば倒せるのか把握するために様子を観ている。
余計な攻撃や追撃をせずに、戦略を組み立ていると
木山が立っていた場所から砂嵐が発生し、煙の中から木山が涼しい顔でサソリを見下ろした。
「!」
すかさず印を結んで砂の波をぶつける。
木山は向かって来る土砂に手を伸ばすと周囲を吹き飛ばし砂を飛ばす。
「......砂を使った能力か」
散り散りに拡散する砂を横目で確認すると呟いた。
次に木山はフワフワと三つの大小バラバラの水滴を浮かばせ、形状を変化させて鉛玉のように発射した。
水というのは、液体を保っているがある一定以上の速さで叩きつけるとコンクリートに匹敵する凶器に変貌する。
サソリはチャクラ糸を放出すると最低限の動作で躱す。
躱した後、サソリから5m離れた場所で鉛玉に近い水滴がピタッと止まる。
まだ木山の能力の影響下だ。
サソリは、不自然に肩の隣
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