第18話 罠
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なんて自分勝手な女の子なんだろうね
何も出来ないクセに
周りに迷惑ばかり掛けて
誰もお前の事なんて気にしない
いや、居なくなってせいせいしているさ
才能がない奴は、お似合いの地べたにでも這いつくばっていればいいんだよ
友達も巻き込んで、自分勝手だよね
佐天の脳裏には、レベルアッパーを共に使った友人が倒れていくトラウマに近い映像。
思い出したくないかのように頭を抱え横に振る。
佐天は、ヘタリと座り込み小さくなるように膝を抱えて頭を付けた。
助けて、初春
また人任せ?
暴力を受けている人を助けようとシャシャリ出て、どうすることもできなくて
白井さんに助けて貰って
白井さんがピンチだったら、サソリが助けに来て
結局、君は何もしてないよね
それなのに、また助けを呼ぶんだ?
良い身分だね
ねえ、もっと絶望を見せてよ
もっと残酷な現実に打ちのめされろよ
仮面を被った影は、佐天の髪を掴んで持ち上げた。
「痛い......もう、もうやめて」
お前が生きていて良い世界じゃないんだよ
あそこは......
きっと軽蔑しているんじゃない?
初春も御坂さんも白井さん、サソリも
あれだけ危ないって言いましたのに
能力無いから道具に頼って、結局ズルしたってことでしょ?
佐天さんになんて構ってられませんよ
またまだ倒れている人がいますのに
余計な仕事増やさないでください
自業自得だな
助ける価値も見つからん
サソリ達の影が出て来て、佐天を取り囲む。口々に佐天への不満を口にした。
「もう嫌、もうやだ」
いっその事、死んだ方が楽なんじゃないかと思った。
引っ張られた髪からの痛みが無くなり、身体が非常に遠くに感じだした。
世界が遠のくように感じて溶けてしまいそうになる程。
死にたいの?
選べると思っているの?
自分勝手な奴にそんな権利なんてないよ。
掴んでいた手を離して、黒い影は佐天を踏みつけた。
ここで一生絶望に浸るんだよ
それがお前の運命だよ
助けて
助けて
もう耐えられない
佐天の精神は限界だった。
現実感が喪失していきそうだ。
後少し
後少しでコイツは壊れる
黒い渦の面を被った自分の影が佐天を踏み付けたまま両手を前に広げる。
悦に浸るように震えた。
人の心を根こそぎ壊す
これが最高
天を仰いだ佐天の影の面に唯一空いた穴から真っ赤に染まった輪廻眼が怪しく光っている。
ギィと空間から人形のような手が伸びてきて渦の面を付けた佐天の影の胴体を貫いた。
「!?」
面を付けた影は後ろを見ると黒いロングの髪をした女性の人形がカタカタと微震をしながら首を機械的に動かす。
ゆったりとした黒い服を着た女性
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