機動戦艦ナデシコ
1296話
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戸惑うかもしれないが。
シャトルから降りてきた3人に合流し、研究所の中へと入っていく。
「ゴート、一応気をつけろよ。中にバッタとかがいる可能性は否定出来ない」
「分かっている。もっとも、アクセルがいれば生身でバッタを倒してしまえそうに思えるがな」
「どうだろうな」
ゴートと共に短く言葉を交わしながら、入っていった研究所の様子を探る。
スライムとかを使ってもいいのであれば、すぐに研究所の中を全て調べる事が出来るんだが……それを残念に思いつつ、現状でせめてもの行動をという事で、耳を澄ませる。
混沌精霊になった俺の五感は、当然人間のそれとは比べものにならない程に鋭くなっている。
もっとも、それでもやっぱり聴覚は聴覚だ。どうしたって限界があった。
そもそも、敵が生き物じゃない以上は気配の類がある訳でもないし、こっちの侵入を察知するまで動きが停止している可能性もある。
生き物なら動きが止まっていても気配やら微かに動く音とかで察知出来るんだが。
あるいはプロスペクターが言ってたように誰か人が避難しているのであれば、その音が聞こえてくるかもしれない。
ゴートがエリナとプロスペクターを守っている間に、周辺のフロアを素早く見回っていく。
研究所の中は酷く荒れ果てており、当然のように木星蜥蜴や避難している誰かがいる痕跡はなかった。
恐らくネルガルが研究所から脱出する際、必要そうな荷物とかは軒並み持っていったんだろう。
それでもこの様子を見る限りでは、かなり急に撤退が開始された為、まだ何か重要なデータの類がこの研究所に残されている可能性がある、といったところか?
適当に予想しながらゴート達が待っている場所へと戻る。
「安心しろ。特に敵の類は存在していない。……もっとも、避難民の姿も見当たらないけどな」
「そうですか。それは残念ですね。ここに避難していれば生き残る事も十分に可能だったと思うのですが」
そう告げるプロスペクターの表情には悲しみが存在しているように見えた。
……悲しみ? 何でだ? 何かこの研究所に思い入れでもあるのか?
「そう、分かったわ。じゃあ早速だけど研究所の中を調べてみましょう。出来れば何か有益なデータがあればいいのだけれど」
そんなプロスペクターなど知った事かと言わんばかりに告げるエリナの声に俺達は研究所の中を移動していく。
だが、最初に俺が一通り見て回ったように、どこも荒れ果てていると表現するのが相応しいような場所だった。
「やっぱり人の気配はないな。誰かがここに立ち寄った形跡は何ヶ月単位でない」
「ここにいても狙われると思ったんでしょうね。……実際にはそうでもないのだけど」
机の上に置かれているコンピュータを触れていたエリナが、ようやく諦め
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