機動戦艦ナデシコ
1296話
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恐らくいないとは思うが、それでも完全に否定出来る程じゃない。
もしかしたら……本当にもしかしたらいるかもしれないというのを思えば、この行動も決して無駄じゃないか。
そんな風に考えている間にも、周囲の警戒を注意深く行う。
ミロンガ改だけであれば、そこまで気にしなくてもいいんだが……今回はシャトルがいるので、どうしても細かくチェックせざるを得ない。
こういう時にT-LINKシステムがあればな。
ニーズヘッグで使い慣れているあのシステムは、念動力によって感覚的に敵のいる方を教えてくれる。触感に近い第六感といった感じか。
感覚的だからこそ、あ、あっちにいるとすぐに察知出来るんだよな。
『アクセルさん、聞こえていますか? そろそろ研究所の方が見えてきますので、警戒を密にお願いします』
「分かってる。木星蜥蜴が来たら仲間を呼ぶよりも前に速攻で片付けてやるよ。……まぁ、見つからないのがベストなんだろうが」
プロスペクターの言葉にそう返すと、向こうも見つからないのに越した事はないと思っているのだろう。笑みを浮かべて頷き、通信が切れる。
そうしてやがて見えてきた研究所は、まるでピラミットのような形状をしていた。ただし、その外見は見るからにボロボロで、大きく破損している場所もあり、とてもではないが今も誰か人がいるようには思えない。
ま、その辺は予想通りだったが。
そのままシャトルとミロンガ改は研究所の敷地内へと入っていく。
普通であれば研究所にはそれ相応の防犯装置があったりするのだが、ここまで破壊されてボロボロになっている研究所でそんなのが働いている訳がなく、特に何があるでもないままシャトルとミロンガ改は研究所へと着陸する。
『アクセルさん、ミロンガ改は向こうの方に隠しておいて下さい。向こうの建物にはミロンガ改も入れる筈ですので』
プロスペクターの指示に従い、シャトルが停止した近くにあった建物へとミロンガ改を隠す。
何の研究をしていたのかは分からないが、中には確かにミロンガ改が入るだけの空間的な余裕があった。
……一応20m近い高さがあるんだけどな。本当にここって何の研究をしてたんだ?
火星……まさか魔法界の研究とかじゃないよな? いや、ネギま世界じゃないんだから、そんな事は有り得ないだろ。
乗降ワイヤーでコックピットから降りつつ、そんな風に考える。
ネルガルはナデシコやエステバリスを開発したのを見れば分かるが、軍事に強い。
ただ、軍事に強いからと言って軍需産業って訳じゃない。他にも色々な物を作っている、いわゆる複合企業って奴だ。
そんな会社だけに、別に戦艦やエステバリス以外の物をここで開発していても特別におかしな事はない。
わざわざ火星で掃除機を開発しているとか言われれば、
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