機動戦艦ナデシコ
1296話
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ミロンガ改でナデシコの外に出ると、当然そこには火星の大地が広がっていた。
……これが火星、か。
俺の知っている火星に比べると、随分違う。
いや、当然か。実際ここには何千人? 何万人? 何十万人? どのくらいの人数かは分からないが、人々が暮らしていたのだ。
それも、空気とかに何の制約もなく。
勿論、地球に比べると色々と厄介な場所もあるだろう。
例えば、テンカワから聞いた限りだと火星の土で出来る農作物とかは不味いらしい。
だが……それでも、普通に暮らせるのだ。
入植が始まってはいるものの、まだまだ自然溢れる光景にするには時間が掛かるだろうネギま世界の火星や、ましてやBETAによって徹底的に荒らされてしまったマブラヴ世界の火星に比べれば圧倒的にこっちの方が上だろう。
ナノマシン、か。個人的にはどうしても好きじゃないんだが、火星の開拓に限っては手を出してみるか? ただ、惑星環境を整えるという意味では、マクロス世界の技術もある。
向こうの方はナノマシンの類ではないから……難しいところだな。
『アクセル! あんたねぇ……うん? どうしたのよ、その顔』
不意に映像モニタに映し出されたエリナが叫ぼうとしたが、俺の顔を見るとその動きを止めて不思議そうな表情で尋ねてくる。
「いや、パイロットスーツなしでもいいってのは嬉しいと思ってな」
火星には空気がある以上、パイロットスーツの装着は必須事項ではない。
いや、勿論対G能力や、身体の保護という意味でパイロットスーツを着ていた方がいいのは間違いないのだが、俺にとってパイロットスーツは邪魔でしかないし。
『ふーん。……ま、そういう事にしておいてあげる。それよりナデシコに戻ったらさっきの話をしっかりするから、そのつもりでね』
どういう風の吹き回しだ? 最近は俺と接触するのを出来るだけ避けてたのに。
いや、男女間の感情も含めてエリナは嫌いじゃないし、誤解を承知で言えば好意を抱いている。
実際、あのクリスマスパーティの夜の件があるまで、俺とエリナはいい関係だったと言ってもいい。
それがクリスマス以来疎遠になっていたのだから、こうして話してくれるようになったのは俺としても嬉しい。
……まぁ、多少無理をしているようだが。
ハルカと違って恋愛関係には極端に弱いんだよな。いや、ハルカが恋愛経験豊富だって言ってる訳じゃないけど。
スレイと似たようなところがあると感じるのは、俺の気のせいだけじゃない筈だ。
ともあれ、シャトルに乗ったネルガル一行とミロンガ改に乗った俺は、真っ直ぐにネルガルの研究所のあるオリンポス山の麓へと向かう。
一応研究所にも避難施設はあるから、火星の生き残りがいるかもしれないって話だけど……さて、どうだろうな。
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