アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十六話 明かされる真実
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遠巻きに見ていたシリウスとベガはいったい何が起こったのかわからなかった。あの状況では間違いなくアポカリプスの拳は直撃していた。なのに、気が付いたらソレイユの刀が抜かれていて、アポカリプスを斬り終えていた。それを見ていたシリウスは苦笑いをしながら困ったように、それでいてどことなく嬉しそうに呟いた。
「参ったな。おれのライバルはあそこまで強いのか・・・」
「言葉の意味と表情がかみあってないわよ」
笑いながら呟くシリウスに呆れたように突っ込むベガだが、効果があるかはわからなかった。一息つきソレイユたちの方へ視線を向けると、アポカリプスが消えてかかっていて、ソレイユがそれを見届けているところだった。
◆
「おれの、勝ちだな。アポカリプス」
・・・・・どうやら、そのようだな。主の勝ちだ・・・ソレイユ
それだけ言い残すとアポカリプスはポリゴン片になって消えていく。それを見届けるソレイユ。完全に消えるのを確認したソレイユは一度だけ目を瞑り、黙祷をささげる。
それが終わると、床に座り込んでいるシリウスたちの方に歩いていく。ある程度近づいてきたところシリウスとベガが労いの言葉をかけてきた。
「お疲れ様だな、ソレイユ」
「お疲れ様、ソレイユ」
「ああ、サンキュー」
そう言いながら床に座り込むソレイユ。その顔は疲労が深く残っていた。
「これで終わったのか?」
「いや、たぶんまだ先がある」
「うへっ、まだあんのかよ」
ソレイユの言葉に顔を顰めるシリウス。そこにベガがソレイユに対して疑問を投げかけてきた。
「でも、この先に何があるの?」
「・・・・・さぁな。とりあえず、ポーションで全快したらここから出てみようぜ」
頷くベガ。その後、ソレイユたちはアイテムウインドウからポーションを取り出すと一気に口に流す。なぜ回復結晶を使わないのか。それはこのフィールドすべてが結晶無効化空間であるためである。
ハイポーションやメガポーションなどたくさんのポーションを消費して全快まで回復したソレイユたちは身支度を整え、アポカリプスを倒したことで再び出現した扉へ向かって歩いていく。重厚な扉を開け、くぐっていくとそこには意外な人物がいた。
「よっ、お疲れさん」
背中に大剣を背負い、ローブを羽織っているプレイヤーオシリスだった。≪流星≫の通り名を持ち、先日の決闘でソレイユと引き分けたプレイヤーである。しかし、予想外の人物がいようとも、ソレイユ達は誰一人驚くことなく、その人物を見据えていた。
「なんでここにいるのか、って質問した方がいいのか?」
「いや、必要ないと思うよ。なにせ、俺がここにいる時点で、君なら、いや、君たちならすでに察しはついているとは思うのだが・・・?」
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