暁 〜小説投稿サイト〜
藤崎京之介怪異譚
last case.「永遠の想い」
V 同日 PM.8:39
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
、この先も全力を尽くすさ。」
「兄貴…。」
 俺の言葉に、奏夜は泣きそうな顔して笑っていた…。
 そうだ…俺は俺のことよりも、周りにいてくれた皆を守りたい。俺が狙いであるなら、今度は伯父達や家族にまで及ぶかも知れない。
 俺は今まで、その人達に助けられ、守り続けられて生きてきたんだ。それじゃ、今度は俺がその恩を返さなくてはならない。
もう…充分にそう出来る力がある筈だ。

 そして…河内にも…。

 俺はそうした思いを胸に、皆に微笑みながら言ったのだった。
「ですが、未々皆の力を借りると思うのでね。」
「当たり前じゃ。お前など未々ヒヨッコじゃからのぅ。」
 アウグスト伯父がそう言うと、今までの重い空気を払拭するように笑いが起こった。
 だが、その漆黒の陰は直ぐそこまで迫ってきていた。俺はそれを感じ取り、意を決して空を見上げた。
 窓から見えた夜空には、無数の星を従えた月が笑っていた。その光はどこまでも優しく、星の瞬きは祈りを捧げているようにさえ見えた。
 その空は何事もないかのように、ただ…そこにあるだけだった…。




[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ